IKUEI NEWS vol.84
7/44
――その「変化」を乗り切るには相当なご苦労があったのではないですか。 まず就職活動をしてみたのですが、社会人経験がないことが理由でうまくいきませんでした。それなら何か別のチャレンジをしようと思い、高校時代から挑戦したかった留学を決意しました。いろいろな人に相談して、ただ留学するのではなくMBAを取ることを目標にしてニューヨークへと渡りました。日本とは全く違う価値観の世界へ放り出されて最初は苦労しましたが、全てが新鮮で楽しくもありました。振り返ってみると、留学もMBAも“新しいチャレンジ”という意味で「好き」で、自分の中の「やりたいこと」と合致していたからこそ乗り切れたのだと思います。 生きていれば、うまくいかないことなんてたくさんあります。粘り強くやることも大事ですが、そこから離れてチャレンジしてみることで開く道もある。留学の経験を通して、こだわりすぎてもいけないということを学びました。そして何より、変化を乗り切るには、自分で決めて自分で行動を起こすこと。自分で決めれば、結果がどうあれ納得できるし、繰り返せば成功の経験も増えて自信になります。自分の「軸」はとても大事だと思います。栃木県生まれ。東京大学経済学部経営学科卒業。在学中に女優を志し、卒業後も女優業に従事。その後、ニューヨーク大学でMBAを取得して心機一転、ビジネスの世界へ。ソフトバンク、マッキャン・エリクソン、日本コカ・コーラ、日本アジア投資での勤務を経て、現在は、エグゼクティブ・コーチとして、主にベンチャー企業、スタートアップ企業の経営者、前向きにキャリアに悩む人のためへのコーチングを中心に活動。著書に『人間関係の整理術』など。プロフィール/和気 香子(わき きょうこ)――それでは、変化を乗り切る力を一言で表すなら「軸」ということでしょうか。 そうかもしれませんね。そして、その軸は変わってもいいんです。年齢や環境などによって大切にしたいことは変化するものですから。そして、自分の軸を大切にできる人は、他人の軸も大切にできます。つまり、多様性を受け入れることができ、他人に寛容になれるのです。 私の経験から言えることは、とにかく自分の中から生まれた価値観や考え方を大事にすることです。心の「声」に耳を澄まし、「好きだからやりたい」から「嫌いだからやりたくない」まで、まずは自分を知る。自分との対話で軸をはっきりと理解することが、変化を乗り切る秘訣とも言えるでしょう。――これから「変化の波」へ飛び込んでいく大学生に、アドバイスはありますか。 「毎日いつもと違うことをやってみる」というトレーニングは効果的かもしれません。「普段はコーヒーを頼むけど、紅茶を頼んでみよう」とか「いつもと違う通学路を通ってみよう」とか、小さな変化に挑戦する習慣をつける。チャレンジを続けて、「海外旅行へ一人で行ってみる」など、徐々に変化を大きくするのも良いでしょう。挑戦が習慣づけば、変化を恐れる気持ちは小さくなりますし、新しい発見があって自分の可能性が広がります。 また、利害を考えない人間関係を築き、信用できる人を見つけることも大事です。人は他人と話すことで、考えを整理し、体験を消化できます。変化の波を乗り切るには、航海を支える仲間が必要なのです。イノベーションで進化する社会を学ぶ ❸ 「変化の波」をしなやかに乗り切る特集IKUEI NEWS 2018.10 vol.84 4
元のページ
../index.html#7