IKUEI NEWS vol.84
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自分の中の「ステレオタイプ」と向き合う岡 隆(おか たかし)日本大学 文理学部 教授1959年生まれ。東京大学文学部卒業、同大学大学院社会学研究科を満期退学、博士(社会学)。専修大学文学部助教授、東京大学大学院人文社会系研究科助教授を経て、2005年より現職。専門は社会心理学、社会言語学で、特に社会的態度、社会的認知、コミュニケーション、集団間関係等を実証的に研究する。日本社会言語科学会会長、日本心理学会常務理事、日本社会心理学会常任理事等を務める。徳川宗賢賞等を受賞。 「日本人は集団主義的で、欧米人は個人主義的である」「男性は理性的、数学が得意。女性は感情的、言葉が得意」。こう言われることは多いが、果たしてそれは事実だろうか。 日本人と欧米人を比較したさまざまな実証研究を集めて分析した研究によると、3分の1の研究が、これが事実であるという証拠を得ている。しかし、もう3分の1の研究は、日本人と欧米人の間に差がないことを示しており、残りの3分の1の研究は、「日本人の方が個人主義的で、欧米人の方が集団主義的である」という真逆の結果を得ている。 また、男女の差異を実証的に比較した研究を集めて分析し、それらをまとめた書物によると、投擲能力(物を投げる力)のように生物学的に規定される能力や、社会制度や規範に規定される表面的な行動(「〇〇らしくしなさい」)には明らかな性差があるが、知的能力や認知・感情・行動などの心理的特性には、仮に性差がある特性があったとしても、その差はせいぜい5%に過ぎず、ほとんどの特性で性差がほぼないことが示されている。 現実には日本人と欧米人の間に差がないのにもかかわらず、そして、男女の間も無視できるほどの差しかないのにもかかわらず、私たちは「全ての日本人(欧米人)は〇〇である」「全ての男性(女性)は〇〇である」というように、あたかもカテゴリー間(集団間)で差異があるように決めつけた「ステレオタイプ」を信じて、それに基づいて判断し行動しているのである。寄稿●2ステレオタイプは現実を反映しているか?とうてき13 IKUEI NEWS 2018.10 vol.84
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