IKUEI NEWS vol81
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 一体何が留学に行きたい気持ちを妨げ、ひいてはグローバルへの第一歩を阻害しているのでしょうか。 ベネッセ教育総合研究所によって2016年に行われた「第3回 大学生の学習・生活実態調査」によると、留学未経験者が留学をしたくない主な理由には、「経済的に厳しい」、「海外生活への不安」、「語学力に自信がない」などがあり、留学の障壁になっているようです(図4)。 本誌にご寄稿いただいた一般社団法人海外留学協議会(JAOS)理事・事務局長の星野達彦さんも述べるように、フィリピンのような安く行ける留学先を見つけたり、奨学金を利用したり、情報を集めれば経済的な面は解決することが可能です(13〜14ページ参照)。電通育英会にも、奨学生に対して留学などの海外活動を経済的に支援する「海外留学・活動支援制度」があります。生活への不安もあるかもしれませんが、治安的に穏やかな場所や、衛生面が整っている国を探すことはできるはずです。ここで着目したいのは、「語学への自信のなさ」です。 今号の『IKUEI NEWS』では、留学を妨げる大きな要因の一つである「言葉」にフォーカスして特集しています。 そもそも日本人は、今の大学生であれば中等教育で6年間、あるいはそれ以上の時間を英語学習に費やしているはずです。にもかかわらず、公益社団法人東京広告協会主催で2014年に行われた「大学生意識調査プロジェクト FUTURE2014」によると、英語に対する自信が「ない」と答えた人は学生全体の87・5%にものぼります。グローバル社会の進展に巻き込まれ、実に9割近くの学生が「言葉の壁」に突き当たっているのです。 同調査では、アンケートに答えた学生を「英語の勉強をしている層(50・3%)」、「外国人と交流している層(39・9%)」、「海外旅行を経験している層(63・5%)」、「海外留学を経験している層(14・1%)」の4種の経験に分類して、就職したい企業について尋ねています。すると、「外国人と交流している層」と「海外留学を経験している層」が、半数以上の値で「世界を飛び回って仕事をする会社」で働きたいと答えています(図5)。この図から、単に英語を勉強するだけや、海外旅行をするだけでは言葉への不安を乗り越えることにはならず、外国人との交流や留学など、言葉を日常的に話さなければならないような環境から生まれた深い経験が、自信につながっていることが分かります。 編集部インタビューにご登場いただいたマルチリンガルクラブ代表講師の新条正恵さんも、日本人が英語を話せない理由を「話す機会と場所がない」ことだと指摘しています(7〜8ページ参照)。大半の人は自ら動かない限り、日本人ばかりのコミュニティで過ごし、英語を話すことも、大学生の前に立ちはだかる「言葉の壁」〈図4〉 留学したくない理由ベネッセ教育総合研究所「第3回 大学生の学習・生活実態調査」より〈図5〉 就職したい企業比較公益社団法人東京広告協会 大学生意識調査プロジェクト FUTURE2014「大学生の『日本』に関する意識調査」より経済的に難しいから全体平均世界を飛び回って仕事をする会社日本国内のみで仕事をする会社英語の勉強をしている層外国人と交流している層海外旅行を経験している層海外留学を経験している層海外生活が不安だから(治安・衛生面など)語学力に自信がないから海外に興味がないから経済的負担に見合う効果が感じられないから時期的に就職活動に支障があるから周囲が反対するから就職した後、勤務先のサポートを受けて行くつもりだからその他63.852.746.756.335.436.347.353.343.764.6(%)48.139.937.537.114.56.32.01.02.801020304050050100050100(%)(%)3

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