IKUEI NEWS vol81
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雑学に関する話題の中で……武田 バッグについているベルトの長さを調節する金具を「コキ」と呼ぶそうですが、やくさんはなぜコキという名称を知ろうと思ったんですか?やく 知ろうと思って調べたわけではなく、何かの折にバッグについて調べていてその名称を知りました。そうした際に「おやっ」と思ったことは記憶しておくわけでございます。記憶した情報は、繰り返し人に話すなどして、どこかで披瀝することで知識として定着していきます。知識というのは、かように堅苦しいものではないのです。「感性」についてのお話の中で……やく 事象の表層だけを捉えるのではなく、その背景など、細かいところにまで人を慮る気持ちを持つと、感性が豊かになりますよね。武田 そうなんです。だからせっかく時間がある学生のみなさんには、勉強だけではなくて今しかできないことをしてほしいんです。例えばアルバイトでも、できれば人と接することが多い環境に身を置いて成長してほしい。やく とかく、今はバーチャルな画面との対話が増えて、人対人の意思疎通が苦手な人も増えてきたかもしれませんね。武田 就職活動も技量ではなく結局「人間」を見ますから、ぜひ人と対話ができるような環境で、日頃から感性を磨いてほしいと思います。参加者からの質問の中で……質問A 大学生や、社会に出たばかりのOB・OGはどのようにして知を磨いていくべきなのでしょうか。やく 現代は私が学生の時代よりも、格段に情報に接する機会が多く、言うなれば、我々は今「知の海」に放り込まれている状態です。現代には情報を得るための多彩なツールがあり、それらを使えれば、ヨコのつながり、人間関係の構築、多くの知見に接する機会など、昔よりもはるかにたくさんの「知を磨くチャンス」があります。 「知の海」の中にいると案外そういうことを自覚できないかもしれませんが、皆さんの世代はこのツールを駆使する能力に長けているのですから、うまく使って知を磨いてほしいと思いますね。質問B 私は大学で政治を勉強しているのですが、自分の意見とは別に中立であることは大切だと思っています。お二人の立場から、中立的な知の得方について教えてください。やく 中立というのはなかなか難しい概念ですが、基本的に是々非々であってよいと思います。例えば、ある政党の支持者であるからといって、そこの政策を全面的によしとするわけではなく、極端な対立軸に正しいと思える政策があればそれも支持する。政治に限らず、世の中には立場によっていろんな意見があるということを今のうちに知っておいてほしいです。武田 やくさんのおっしゃる通りで、一つの意見を尊重するというのは素晴らしいけれども、他の考え方を知るということも大切なんです。アナウンサーという仕事も基本的に中立であれと最初に教えられます。中立であるためには、いろいろな世界を知っていなければ難しいでしょう。ですから、一つの分野・考えに固執することなく、何事も経験することが大事だと思います。奨学生の集い・トークショー要旨漫画家 やくみつる さん本名、畠山 秀樹(はたけやま ひでき)。1959年、東京都生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、出版社勤務を経て、1981年『まんがタイム』誌にて漫画家デビュー。1996年に第42回文藝春秋漫画賞を受賞。多数の雑誌・新聞に連載する傍ら、テレビのコメンテーターやエッセイストとしても活躍。趣味は古物百般蒐集、ツアー旅行、トイレットペーパー包装紙研究。日本昆虫協会副会長。新語・流行語大賞選考委員。フリーアナウンサー 武田 祐子 さん山形県出身。山形大学理学部卒業。1994年、フジテレビにアナウンサーとして入社し、報道番組のメインキャスターを務める。2004年には、映画『スウィングガールズ』に出演するなど、さまざまな分野で活躍。2017年3月にフジテレビを退社し、フリーに転身した。現在はバラエティやドキュメンタリー番組のナレーションで、幅広い声を披露している。武田祐子アナウンサーをナビゲーターとして行われた、やくみつるさんのトークショーは、時折学生へ話を投げかけるなどして交流を交えつつ、終始ユーモア溢れる和やかな雰囲気で行われました。これからの社会で生きていくための示唆に富んだお話をたくさんいただきましたが、本ページでは、トークショー中のお二人の発言を一部抜粋して紹介します。「『知る』を歓び、『知らぬ』を弁える」わきまよろこおもんばかひれき38

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