IKUEI NEWS vol81
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電通育英会の海外留学・活動支援制度を利用した奨学生座談会苦労を乗り越え、楽しさをつくるれるトロントでは、さまざまな文化と言語の集まりで、「違う」ということがアイデンティティです。見かけや、自分の物差しで他人を判断せず、受け入れ尊重しあう、移民国家ならではの社会のルールが新鮮で面白かったです。田中 初めて海外に行ったのは高校一年生の時。日中の高校生の交流プログラムで、中国の高校生と英語で話すというものでした。英語ができれば同い年の違う国の人と話せるのが嬉しかったことを覚えています。 長期の海外滞在はドイツの5カ月間です。ドイツも移民国家で、「互いに違うことが当たり前」という感じはトロントと同じです。大学の学生も25%前後が留学生で、全く違和感はありませんでした。大久保 先ほども言ったイギリスの語学研修が初の海外です。念願がかなって、何でも新鮮でした。できるだけいろいろなことを試したいと思って、スーパーで日本では見たことのないものを食べたりする、そんな1カ月を過ごしました。 ケルン大留学は1年間でしたが、加藤さん、田中さんの話で、いろいろな人がいて当たり前、違っていて当たり前みたいなところは共感しますね。│ 留学や海外体験の中でどんなことに苦労しましたか。加藤 苦労したことはたくさんあります(笑)。トロントで、英語に自信があった私の会話が全く通じず、相手の話も全く聞き取れない。すごくショックでした。スーパーの店員さんの会話も、バイト先のカフェのお客さんの注文も聞き取れません。落ち込んで家に閉じこもりましたが、何も変わらない。頼れる人もいなく自分でなんとかするしかないと気付きました。 そこからは、現地の人と友だちになる目標を立て、いろいろなイベントに行きました。友だちになりたいと自分から話しかけ、仲間に入れてもらい、皆の話が分からなくても、めげずに「それは何?」と聞き、一言一句書き留めて覚えました。この繰り返しで少しずつ理解し合えるようになりました。これが1年間という長期滞在の良さなのだと思います。永野 僕もヒアリングで苦労しました。語学学校の先生や友人は、ある程度はっきり発音してくれますが、イギリス人同士の会話は全く違い、何を言っているのか分かりませんでした。1〜2回は聞き直せますが、それ以上は無理です。そこで、何とか聞き取れるように、会話に集中して聞くようにしたところ、少しずつ理解できるようになりました。1カ月間は苦労の連続でしたね。大久保 苦労したのは、留学前は必要ないといわれたドイツ語を、やはり使わなきゃダメだと気付いたことです。そこで、ドイツ人にドイツ語での会話を始めましたが、これがなかなか上手くいきません。私だったら、日本語が下手な外国人が話しかけてきたら、一生懸命聞きとって、易しい言葉で話そうと気を遣いますが、ドイツ人にはそんな気遣いは全くありません。当然のようにペラペラと早口で話します。彼らにすれば、他民族との会話は珍しくもなく、ドイツ語が話せない人がいる日常が当たり前で、気にもしないようです。 それが分かったら、会話がうまくなくても恥ではないと開き直り、変なドイツ語でも構大久保 宝 さん〈大久保さん〉ドイツに留学中、友人とミュンスターを訪れた時の様子。24

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