IKUEI NEWS vol81
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いう人がいますが、どんな話題をふられるかわからない日常会話は一番難しいと思います。まず自分の興味のある話題について話せるようになって会話のハンドルを握れるようになれば、初めて会う海外の人ともコミュニケーションを楽しむことができます。 そして何より、机で勉強するだけでなく、言葉を使える場所を探して実際に話してみることが大切です。話すときには、決して100点を目指さず、「60点」を目指すこと。間違えていてもある程度は伝わるし、誰も間違えたことを指摘することはありません。間違えてもいいからリラックスして、とにかく会話を楽しみましょう。そうして「伝わる実感」を積み重ねれば、語学はどんどん楽しくなって上達していきます。長期間学んできた英語からスタートする 私は、たくさんの言葉を話せるようになって、「大きな心」を手に入れたと感じています。異国の人と交流を通して、言葉と文化によって考え方が異なっていて、世の中には自分の考えつかないようないろいろな意見や価値観があることを知りました。広い世界を知ったことで多様性を「First 2,000 Words」でリラックスして会話を楽しむ 外国語は、外国の他者とスムーズに意思疎通するために効果的な「ツール」です。ペラペラでなくても外国語を話せれば良い第一印象を与え、相手の心を開くことが容易になります。では、外国語を身に付けるには具体的にどうしたらよいでしょうか。 英語では、「First 2,000 Words(初めの2000単語)」という言葉があります。ほとんどの会話の80〜90%が、例えばI や You,This,That などの基本的な2000単語で構成されているということです。中学までに学習する基本の文型を覚えて、単語はこれだけ話せれば、よほど難しい会話でない限り、80%ほどの意図は伝わります。 次のステップは、自分の興味のある3つの話題に関する単語を覚えていくこと。実は、どんな会話でも突き詰めると大体2つか3つほどしか話題がありません。私で言えば、「仕事」、「食」、「旅行」の3つ。自分の好きな分野でよく使われる動詞や固有名詞から徐々に覚えていけばよいのです。 よく英語を勉強する人の中には「日常会話くらいはできるようになりたい」と受け入れる心が育ち、それが同時にありのままの自分を受け入れることにもつながり、自信もつきました。些細なことで悩んだり、尻込みしたりしない堂々とした今の私が出来上がったのは、外国語を習得したおかげだと思っています。 そして、語学を身に付けたことで、自分の「可能性」が広がりました。海外のどこへ行っても困らないし、日本以外の国でだって働ける。おいしい焼肉が食べたければ韓国へ、小龍包なら中国へ、と趣味の範囲も広がりました。外国語をいくつか話せるだけで、自分が生きたいように生きやすくなるのです。 英語に限って言えば、大学受験を乗り越えた皆さんには6年以上も培ったリソースがあります。受験の時に自分が使っていた英単語帳を思い出してもらえれば、「初めの2000単語」など余裕で超えているはずです。つまり、皆さんには既に英語を話せる素質が備わっているのです。あとは、英語で話をする機会を作って、潜在的な英語力を呼び起こすだけ。皆さんならきっとすぐに話せるようになります。せっかく持っているリソースを無駄にせず、時間にある程度余裕がある学生時代に、英語をはじめとした外国語にぜひ挑戦してみてください。1977年生まれ。英国の高校、米国の大学に留学。外資系企業で12年間勤務し、外資系銀行でヴァイスプレジデントを務める。転職5回、海外勤務の経験もあり。2014年に独立し、現職は約1カ月で受講者がバイリンガルになる短期集中型完全オーダーメイド・プライベートレッスン講師、企業向けグローバル人材育成コンサルタント。英語学習コミュニティ「マルチリンガルクラブ」主催。 新条 正恵(しんじょう まさえ)8

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