IKUEI NEWS vol.80
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主催者挨拶大学生研究フォーラム 2017 2008年より始まった大学生研究フォーラムは、今年で最終回となります。この10年、大学生の学業とキャリアへの意識を高めるべく、さまざまな取り組みを行ってまいりました。その過程で、各大学や高校間の連携も深まってきたように思います。 これからの時代、大学生が持つべきは、「自立の意識」だと感じています。情報化が進むこの社会では、自らがすべきことを自ら考えることができなければ、生きてはいけないからです。また、先日プロ棋士の佐藤天彦名人が、コンピュータ将棋ソフトウェアとの対局で敗北を喫したことが話題になりましたが、近年、AIの活躍は目覚ましいものがあります。AIが人間の能力を上回ることなど、時間の問題です。大学生を待ち受けているのは、自立の意識がなければあっという間に淘汰されてしまう、厳しい社会なのです。 我々教員にできることは、学生に期待や希望を授けるべく、日々努力を重ねることだと思っています。全10回の本フォーラムが、未来を切り開く、AIに負けない若者の糧となれば嬉しい限りです。京都大学理事補・高等教育研究開発推進センター長教授飯吉 透東京大学大学総合教育研究センター長教授須藤 修電通育英会理事長森 隆一 このたび、京都大学・電通育英会との共催事業として、大学生研究フォーラム2017を開催させていただきましたことを心より嬉しく思います。大学生研究フォーラムは今年で10年目、最終回を迎えたとうかがっております。東京大学が共催させていただいたのはこのうち7回です。 この間、東京大学にもさまざまな教育改革がございました。昨今、大学総合教育研究センター・教育課程方法開発部門が関わらせていただいたものとしては、英語で教えるためのMOOC「English Academia」の立ち上げなどがございます。また、京都大学の皆さまと共に大学生研究も行い、その成果は、研究書籍『活躍する組織人の探究』(東京大学出版会)、『アクティブトランジション』(三省堂)として編まれたと聞いております。大学生研究フォーラムは、今年にて「区切り」をつけることとなります。しかし、今後も、これまで築いてきた基盤をもとに、全国の大学関係者の方々に集っていただけるような場を作ることに尽力してくれるものと考えております。今後ともご高配のほどお願いいたします。 本フォーラムが始まってからというもの、私は「育英」という言葉について考えることが多くなりました。「学生に経済支援をする事業」という、狭義な言葉として用いられてきた「育英」。しかし、本当に経済支援だけで、学生の学びは豊かになるのでしょうか。私はフォーラムを通じ、育英事業の中身が、より多岐に渡るものでなければならないことを学びつつあります。 経済支援に次いで大切なことは、「知の支援」だと思います。グローバル化が叫ばれる昨今、歴史や文化の違いを前にしても、狼狽えることのない知性が求められているからです。経済と知、両者を支援するとなると、育英事業とは高校と大学、または学校と社会をつなぐ、架け橋のような存在になる必要があるのかもしれません。 いま、企業は「働き方を考える」ことにエネルギーを費やしていますが、私は、「生き方を考える」方向に舵を切ることが重要だと思います。そのためには、知性を身に付けることが不可欠です。育英事業が目指すべき方向も、同じように見直していくべきだと考えています。20171大学生研究フォーラムうろた3

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