IKUEI NEWS vol.80
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学生時代、サイクリングクラブの友人たちと北海道・渡島半島を旅行した時の様子。勉学もサークルもアルバイトも精一杯に過ごした学生時代 大学に入学する前から法学に興味がありました。ニュースやワイドショーなどを見ていると、専門家やタレントの方などが社会問題についてコメントをしています。でも、その意見が本当に妥当なのか、自分では判断がつかないことが多々ありました。社会問題を的確に分析して自分なりの答えを出せるようになりたいと考えた時に、方法論が確立している法学は一つの判断基準になり得ると思ったのです。 法学の中でも国際法を選択したのは、「国と国ってダイナミックなテーマで面白そう」という何ともざっくりとした理由でした(笑)。ゼミで本格的に勉強を始めると、その面白さに徐々に惹かれていきました。 大学院への進学を決めたのは3年生の時。私は中高大一貫校出身で、大学受験を経験していません。その苦労がなかった分、まだまだ勉強し足りないと常に感じていたため、進学を決意したのです。 学生時代は勉強や研究だけなく、サークルやアルバイトにも精を出していました。サークルはサイクリングクラブに所属し、自転車で日本各地をしょっちゅう旅行していました。地道にコツコツと自分の力でペダルを漕いで、峠を越えたときの喜びは何物にも代え難いものです。 アルバイトは、京都・祇園の料亭で4年間働いていました。京都という土地柄、芸舞妓のお仕事を支える方と接するなど、伝統に触れる機会がありました。京都の文化を肌で学ぶことができた貴重な機会だったと思います。私益と公益の一致を図り、幸せな人生を掴もう 学生の頃と比べると、自分の価値観は大きく変化したと感じます。学生時代はとにかく体育会系で、何事も倒れるまで全力でやってこそ価値があると考えていました。しかし、仕事でさまざまな人と出会い、家庭も持った今では、もっと長距離でペダルを漕げるように生きていきたいと思うようになりました。緩急をつけ、研究と家庭のどちらもが両立できるよう、上手くマネジメントするのです。 奨学生の皆さんには、私益(自分の利益)と公益(社会の利益)をどうすれば一致させられるのかを考えてほしいと思います。「自分が幸せになる道」と「社会がより良くなる道」が合致すれば、それは一番幸せな人生だと思います。そのために、学生生活を通して、自分が社会のために貢献したい「公益」とは何か、それと両立できる「私益」とは何かを日頃から考えてみてください。 社会への貢献と自分の生活との間に折り合いをつけながら、現実的なところに落とし込む。そうした術を大学生のうちに身に付けることが大切だと思います。そうして、自分の価値観の柱となる指針、いわば社会の荒波の中を進むための「羅針盤」を皆さんが手に入れることを願っています。2013年に、スイス・ジュネーブ近郊を訪れた時に立ち寄ったレマン湖で。29

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