IKUEI NEWS vol.80
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国際的な人権問題を規律する法の穴を明らかにする 平安建都1200年記念事業の一環として1994年、京都市に設立された公益財団法人世界人権問題研究センター(以下、世人研)。今回お話を伺った先輩の杉木志帆さんは、このセンターで専任の研究員として働いています。 世人研は、常勤の専任研究員、客員研究員・嘱託研究員あわせて90名ほどで構成されており、人権問題に関する研究活動や講座・講演会などの啓発活動を行っています。研究部門は、「国際的人権保障体制」、「同和問題」、「定住外国人の人権問題」、「女性の人権問題」、「人権教育の理論と方法」、「企業と人権」の6つに分かれ、杉木さんが所属しているのは国際的人権保障体制の部門です。 この部門には、国際法の一分野である国際人権法の研究者らが所属しています。杉木さんたちは、国際的な人権保障の基準や制度がどう発展し、国家においてどのように履行されているのかを研究しています。杉木さんが自身の研究について語ってくれました。 「例えば、イギリス軍がイラクでの軍事活動中に民間人を殺害してしまった場合。イギリスが締結している欧州人権条約には、故意に人を殺してはならないと書かれていますが、果たしてイラクで殺された人にその条約は適用されるのか。このような疑問に対して、欧州人権裁判所の判例等を調査・分析し、人権条約のグレーゾーンを明らかにすることが私の研究です」。被害者と国家のためを考えて研究を続ける 世人研での仕事には個人研究と共同研究があり、「個人研究だけでなく共同研究にも関われる点がこのセンターの魅力」と杉木さんは語ります。 「国際人権法を専門とする大学教授などが多く在籍しており、その方々業務と家事の効率化に努め、研究員と母親の立場を両立するワーキングマザー世界中のさまざまな人権問題について研究する世界人権問題研究センター。杉木さんは国際人権法の研究者として活躍すると同時に、一児の母として子育てにも奮闘しています。公益財団法人世界人権問題研究センター(大学院奨学生第3期生)杉木 志帆 さん27

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