IKUEI NEWS vol.80
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 私は、2010年から8年連続して、本フォーラムに参加しました。2010年当時の私は、民間企業の人事担当者から大学のキャリア教育担当教員に転向してまだ間もない頃で、「キャリア教育を大学教育における本質的な要素として、正課教育の中にどのように取り込んでいけるのか」という問いを持ちながら日々の仕事に取り組んでいました。2010年のフォーラムは「大学の勉強を学生の成長につなげる」というテーマの下、溝上先生の「大学生のキャリア意識調査」に基づく大学生研究の知見と教育実践とをつなげて、「大学教育とキャリア教育の架橋」を考える内容でした。フォーラム初参加だった私は、まさにその時「知りたいと思っていることを知れた」という気持ちになりました。 2011年に中原先生がフォーラムの企画に加わってからは、フォーラムのテーマが「学校から仕事・社会へのトランジション」ヘとシフトし、「高校」「大学」「企業」の関係者が一堂に会する盛大なフォーラムになりました。幅広いジャンルから豪華な登壇者が招かれ、大学生研究の知見に加えて、企業の人材育成領域の最前線についても知れるようになり、それは私にとって本当に魅力的な内容でした。毎年、時宜を得たテーマ設定がなされていましたが、近年のテーマである「大学教育に必要なのは『プロジェクト』か『プロジェクト学習』か」、「経験で終わるな、メタに上がれ!」などは、参加者に向けて強烈なメッセージが発信されていて、フォーラム当日に何を聞けるのか、どんな気付きを得られるのか、わくわくしながら期待に胸を弾ませて会場に向かったのを覚えています。 何よりも「アクティブ・ラーニング」提唱者の溝上先生と、「大人の学びを科学する」中原先生がタッグを組まれての運営でしたので、参加者ダイアローグやリフレクションなど「学び合いの場」のデザインがされていました。会場で初めて会った人たちともすぐに打ち解けて対話ができ、そこから新しい発見や刺激もあり、楽しく学べて、あっという間に時間が過ぎていく、まさに私にとって「良い学び」を体験できる場でした。ジグソーメソッドを利用した回では、知りたい・聴きたいと思うような発表がそろうセッションが並行して行われ、セッション終了後に参加者同士で講演内容や考えを共有し、対話を通して理解を深めるプロセスを経験でき、こういうことを自分の授業でも試してみたい、と日々の教育実践に役立つヒントを得る機会にもなりました。 8年間のフォーラム参加を通して、その時に知りたいと思うことを知ることができ、いろいろな人たちと出会い、交流し、さまざまな刺激を得て成長できる、本当に有難い機会をいただけたと思います。今年、フォーラムにピリオドが打たれたわけですが、進化した形で新たに生まれ変わり、そこに再び参加する機会が訪れますことを心待ちにしています。さまざまな知見と教育実践で提供される「学び合いの場」明治大学 政治経済学部特任准教授いながきくみこ稲垣 久美子2017大学生研究フォーラム参加者から見た大学生研究フォーラム17

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