IKUEI NEWS vol.80
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仕事について言語化することで新たな価値観を見出す 産学協働プログラムは、学生により価値のある教育を提供する手段として非常に有効です。私は2015年に一般社団法人産学協働人材育成コンソーシアムを立ち上げ、昨年、株式会社クレディセゾンと実践女子大学における産学協働プログラムを開催しました。このプログラムは、30代前後の中堅社員が、自分の仕事は何か、なぜ働くのかということを言語化し、学生にプレゼンテーションを行うものです。自分の仕事がどのような価値を社会に提供し、どのような意義を生み出し、もたらしているのかを突き詰めて考え、さらに、それを働いたことのない学生に対してどのように伝えれば良いか、ということまで考えなければいけません。 このプログラムを通し、参加した学生たちからは「働くことに対して意味や喜びを感じることができた」「早く働いてみたい」という声がありました。また中堅社員は仕事の本質や価値を、あらためて言語化することで再認識でき、「これからの仕事が楽しみになった」という言葉をいただきました。社員と学生、双方が「なぜ働くのか」について考えることで、新たな価値観を見出すことができたのだと思います。学生と社員が共に課題解決に取り組み、人材育成につなげる産学協働プログラム 京都産業大学は、産学協働を実践し社会で活躍できる人材を育成する総合大学として、1965年に設立されました。そのため、さまざまな産学協働型のキャリア形成支援教育を用意しています。そのうち代表的な二つをご紹介します。■「企業人と学生のハイブリッド」…企業の若手社員1人と学生3人のチームで、社員が実際に直面している課題の解決方策を模索・提示する人材育成プログラム。中間報告と最終プレゼンテーションは、企業の上司や社長がいる場で行います。学生はリアルな企業の課題に取り組むことで、組織の仕組みやチームで課題に取り組む意義を学び、若手社員には、学生をまとめるリーダー的スキルや、プロジェクトマネジメント能力が身に付きます。■「むすびわざコーオププログラム」…3年次春学期の15週間の長期有給インターンシップを核に、専門教育とキャリア形成支援教育を融合させた、3年間(2年次〜4年次)一貫型のプログラム。2年次に、1年かけて主体性、論理的思考、表現力を学び、3年次にインターンシップに臨みます。インターンシップ後は、その体験から見つけたテーマを産学協働教育の新たな可能性振り返り、1年かけて卒業研究発表へとつなげます。学生には実践的な社会人力が身に付き、企業にとっては若手社員の育成や職場活性化などにつながります。 文科省は、教育効果の高い多様なインターンシップの推進をうたっていますが、日本のインターンシップは予定調和的になりがちです。インターンシップを通じて、自身の能力不足や社会の厳しさを知り、次へとつなげていかなければいけません。そうして、失敗し、叱られながらも成長していく力を育成することが、産学協働の役割だと思います。都留文科大学 文学部国際教育学科 講師山辺 恵理子ファシリテーター京都産業大学 経営学部 准教授キャリア教育研究センター運営委員松高 政まつたかまさしえりこやまべ7

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