IKUEI NEWS vol.79
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 しかしながら、若者の読書離れが進んでいるということも事実です。全国大学生活協同組合連合会が2016年に行った「第52回学生生活実態調査」では、大学生の1日の読書時間は平均24・4分。1日の読書時間が「0」だと回答したのは49・1%と、約半数にのぼります(図3)。 本は、単に自分の知らない世界を教えてくれることはもちろん、書いた人の思考のプロセスや経験までも追体験することができます。「読書は知識だけでなく考える力をつけてくれ(出口さん)」、さらに、「精神的な強さも鍛えてくれる(望月さん)」のです。 勉強以外で教養を身に付ける方法の二つ目は、さまざまな「経験」をすることです。編集部インタビューで、出口さんは旅、望月さんは留学を勧め、千葉大学副学長の小澤弘明教授は、ボランティアやインターンシップ、イベントなどに参加して多様な経験を積んでほしいと語っています(9〜10ページ参照)。 望月さんは、自分とは価値観の異なる人との交流で最大の経験は、留学をはじめとする海外経験だと言います。しかし、日本の大学生の留好きなことに打ち込めば「教養」が見えてくる多様な経験の積み重ねが人間性を育てる学率は1・2%と、他のOECD諸国の学生と比べてはるかに低い数値を記録しています(図4)。 小澤教授の言葉を借りれば、成功や失敗、困難など多様な経験を積み重ねていくことが、自分自身の「厚み」を作っていくのです。 勉強や読書、経験の積み重ねによって身に付く教養は、当然ながら一朝一夕で手に入れることはできません。大学生の皆さんは、学生のうちから教養を身に付けるための心構えを持ってください。 そして、学んだことは単に蓄積するだけでは意味がなく、アウトプットする場が必要です。東京女子大学の小野祥子学長が紹介した、新渡戸稲造の言葉にもあるように、「教養は、社会で実践してこそ意味がある」のではないでしょうか(11〜12ページ参照)。 今回の取材での共通項は、「好きなこと(興味関心のあること)を極める」、そこから「興味関心を広げる」というアドバイスでした。まずは、自分の好きなことに打ち込むことから始めてみませんか。好きなことがなければひたすら勉強に打ち込みましょう。いつしか関心の輪は広がり、知識は深くなって自分なりの考えが生まれてきます。それこそが、あなたにとっての教養なのです。〈図3〉 大学生の1日の読書時間全国大学生活協同組合連合会「第52回学生生活実態調査」より〈図4〉 自国学生の留学率OECD Indicators “Education at a Glance 2012”Table C4.5 より1020304050(%)2004年アイスランドアイルランドスロバキアエストニアノルウェーギリシャポルトガルスイスオーストリアドイツイスラエルスウェーデン韓国フランスフィンランドカナダチェコデンマークオランダイタリアベルギーハンガリースロベニアニュージーランドポーランドイギリススペインオーストラリア日本アメリカ2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年05101520(%)0分30分未満30分以上60分未満60分以上38.739.734.734.834.537.833.836.734.540.540.945.249.123.010.713.419.721.916.025.323.810.825.025.625.124.618.424.123.220.416.322.120.115.220.519.615.123.017.723.420.718.019.725.610.610.621.123.320.019.118.711.84

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