IKUEI NEWS vol.79
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社会学への目覚めはオンラインゲーム 私の父も専門分野は違いますが、社会学の教員です。しかし、私の社会学への興味は父の影響だけではありません。 社会学に興味を持ったきっかけとして覚えているのは、中学生の頃にやっていたオンラインゲームです。オンラインゲームでは見ず知らずの人と協力してプレイをすることがありますが、なぜ顔も見えない相手とオンライン上でも社会関係が成立するのか、不思議でなりませんでした。この疑問は今の研究にもつながっています。 大学では社会学を勉強したいと思い、出身は大分ですが、父の勧めで社会学に強い東北大学に決めました。皆が近場の同じ大学に行くという風潮が嫌で、なるべく遠方に行きたかったということもありましたね(笑)。 大学では社会学研究室に入ろうと考えていましたが、入学してから行動科学を研究している研究室があるのを知りました。文系なのにコンピュータを駆使するところに関心を持ちましたが、社会学の中でも比較的ニッチ、かつ新しい分野で、研究の前例や情報が多くありませんでした。しかし、そこで怖気付かずにリスクを取ったことが正解でした。前例が少ない分野で業績を残すことによって、30歳でこの職に就くことができたのですから。世界の広さを知り、自分が貢献できることを探そう 学生時代を振り返ると、研究と飲み会とバイトばかりの毎日でした。研究室では、先輩の卒論発表に噛み付くなど、やりたい放題やっていたので嫌な学生でしたね(笑)。私が精神的にバランスをとれたのは、学部時代に始めた町の不動産屋でのアルバイトのおかげです。勉強と研究漬けだった私の息抜きになったと同時に、理不尽な問題が起きても粘り強く解決に取り組む社長の姿から、多くのことを学びました。アルバイトでの経験が、大学だけしか知らなかった自分に、大学での学びは実社会と密接に関わっていることも教えてくれました。 奨学生の皆さんには、学生のうちに自分の世界を広げる経験をしてほしいと思います。例えば、海外に行って異国の文化を知ることでも、自分の専門分野の勉強を深めることでも、はたまた普段とは違う分野について勉強することでも構いません。 これから社会に出て行く皆さんの中には、「良い会社に入るため」、「給料の良い仕事に就くため」を軸に学生生活を過ごしている人もいるでしょう。そうした実用的なこともいくらかは必要ですが、視野を広げて、自分のいる社会だけが世界の全てではないことを身をもって知った方がずっと将来の役に立ちます。そして、世界を知る努力をしていけば、何が自分にとって大事なことで何が大事ではないかが分かって、求める結果もおのずとついてくるのです。 いろいろな世界を知ったら、自分の興味のある世界を探し、そこで良い変化を起こすために自分は何ができるかを考えましょう。自分を活かせる場所、その場所で自分が貢献できることを学生のうちに探して、社会で活躍できるよう備えてほしいと思います。博士2年次に受講した東北大学大学教員準備プログラム(PFFP)で、統計学の授業をした時の様子。PFFPで訪れたカリフォルニア大学バークレー校では、研修および授業参観を行い、修了書を受け取りました。25

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