IKUEI NEWS vol.79
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学の研究に夢中になりました。同大学で博士号を取得した後、日本学術振興会特別研究員PD(※)として東京工業大学社会理工学研究科に配属され、2年間の研究員生活を過ごしました。 その後、大学教員としての就職を目指し、会津大学で准教授のポストを得ました。大学から一貫して同じ分野の研究を続けているように、何事も徹底的にこだわって極めていく性格の吉良さんにとって、大学教員という職業は唯一無二の魅力的な仕事であるそうです。 「大学教員は、おそらく日本で一番自由度が高い職業だと思います。自分がやりたいテーマで研究し、自分でやりたい教育を行う。ただし、その結果は良くても悪くても、自分に全て返ってくる。研究を続けたいと思っていたので民間企業などの選択肢もありましたが、より自由で裁量の幅が大きい大学教員に惹かれていました。他の仕事に比べて、こだわりが強い自分の性格を良い方向に活かせるだろうと考えたのです」。 大学教員は研究のみではなく教壇にも立ち、学生を育てる立場でもありますが、吉良さんは初めから教えることが好きだったわけではないようです。 「正直、学部学生のころは研究にしか興味がありませんでした(笑)。きっかけは、大学院のころ大学教員準備プログラム(PFFP)で授業の設計法を学んだ後、大学で非常勤講師をしたことです。学生にとって必要な内容は何かを考え、自分で授業をデザインすることが楽しいと実感したことで、大学教員になりたいという思いが生まれましたね」。世界にアプローチをかけつつ、大学の魅力向上に貢献したい 会津大学は、全教員のうち外国人が約4割と国際色豊か。吉良さんは採用当初最年少でした。学内は英語でのコミュニケーションが必須で、周囲が目上ばかりという状況でも、大変だと思うことは「全くない」と吉良さんは言います。 「会津大学は、自分にとって最も合っている職場だと感じています。教育も海外基準であるため、要求される水準が高く、周囲も外国人だらけ。日本に居ながら、まるで海外で働くような感覚で、毎日が刺激に溢れています。そして、目新しいことでも筋が通っていれば積極的に受け入れ、私のような入りたての若手の意見もしっかり聞いてくれる、オープンでリベラルな大学です」。 論文執筆、研究、授業の準備や学外の講演など、教育も研究もこなし、忙しく充実した毎日を過ごしている吉良さん。着任してまだ1年も経たない吉良さんに、これからの目標について伺いました。 「研究面の目標は、もっと英語の論文を書くこと。博士号取得から数えて5年目、今ようやく英語の論文を提出できる準備が整いつつあります。今後は英語の論文をどんどん送り出し、世界中の研究者にアピールしていきたいと思います。そして、教育面では、会津大学の魅力に貢献できるような充実した授業を行うことが目標です。現在、後期から新しい授業を開講できるように申請を出しているところです。日本の伝統に縛られないチャレンジ精神を持っているところが会津大学の良さ。私もこの精神にのっとり、自分ができる範囲で大学の教育をより良いものにしていきたいと思っています」。※日本学術振興会特別研究員PDとは 博士の学位取得者で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する若手研究者の研究生活の初期に、 自由な発想のもと主体的に研究課題等を選び、研究に専念する機会を与えることを目的に、日本学術振興会が研究奨励金を支給する制度。24

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