IKUEI NEWS vol.79
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-----神戸といえば、港。やはりその土地柄が設立にも関係しているのでしょうか。 おっしゃる通り、神戸は元々貿易港であるため、必要な人材育成としての外国語と外国学の教育が本学の出発点でした。まず「神戸市立外事専門学校」として設立され、1949年の学制改革の際に、新制大学の「神戸市外国語大学」に昇格しました。 「外国語大学」は、東京外国語大学、大阪外国語大学、そして本学の3校が初めて名乗り、それまでの語学学校とは一線を画する「外国語大学」という概念を作り出しました。単に外国語を勉強するだけではなく、その背景にある外国を知り、学問的に究める学校が「外国語大学」だと定義したのです。 本学に専攻学科を置く外国語は、英語、ロシア語、中国語、スペイン語の4言語ですが、これらは日本の近隣である太平洋を取り巻く国々の主要言語です。世界に開かれた港都・神戸にある大学として、実用面での語学教育を重視した表れです。 語学そのものを研究対象とする学生ももちろんおりますが、多くの学生は社会へ出て広く活躍するためのツールとして語学を学んでいます。だからこそ、語学教育だけでなく外国の文化や価値観に目を向けるための教育に力を入れ、語学と専門分野の2本柱を持った学生を育てようと奮闘しています。 小さな大学ですので、教育においては教職員と学生の距離が非常に近いというメリットがあります。そのため、学生一人ひとりにきめ細やかで充実した教育やサポートを行える少人数教育を実現していると思っています。本学では、学生が必修の授業を3回休めば、すぐにフォローに入ります。中学や高校のような対応ですが(笑)、学生全体に目が届くというのは、小規模校ならではの良い点だと思います。多様な価値観に寄り添い理解できる、質の高い学生を育てる-----学生に実践レベルの力をつけるため、どのような取り組みを行っていますか。 外国語教育で実践といえば留学が分かりやすい例ですが、本学では留学は必須ではありません。留学提携校にまとまって行くという、よくあるパックツアー型の留学では効果は薄いと思っています。本学における留学の主流は、学生自らが渡航時期も含めてプランを立て、自分が関心を持つ国や大学に行き、学ぶというものです。このように、強制ではなく、自分で必要性を感じ、計画して行く方がさまざまな面で実力が養われると考えています。そうした例を一つ挙げると、ロシアのウラル連邦大学に留学した学生が、自ら先方と交渉して本学との交流協定の橋渡しをしてくれました。学生が提携校を開拓してくる――これには、さすがに私たちも驚きました(笑)。 実践力養成で大きく役立ったのが、昨年11月、本学と全米学生会議連盟の主催で、神戸で開催した「模擬国連世界大会」でした。これは、国際連合の議事を、実際通りにシミュレーションして学生同士で討議するという活動で、ニューヨークをはじめ世界各地で、世界中の大学生が参加する大会が行われています。この模擬国連では、学生が、自国の代表ではなく異なる国の「外交官」として討論に参加します。そのため、学生は自分が代表する国の情勢、外交姿勢、世界の中でのポジションなどを調べ、その国を十分に理解しなければなりません。 議論のテーマについて調べるのはもちろん、英語での交渉や合意に向けた政策提案を朝から晩まで行い、メールでのやりとりは深夜に及びます。それを1週間近く続けるのです。私も今年の3月に行われたニューヨーク大会へ視察に行き、参加してその役割を務めるには、相当な能力が必要であることを実感しました。 その模擬国連の世界大会を、日本で初めて、本学が主体となって神戸市に招致したのです。多くの学生が議事に参加して活躍したこと正門前。ここから緑豊かなキャンパスが広がる。第2学舎のボランティアコーナーには多くの案内がそろう。20

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