IKUEI NEWS vol.79
18/36

明日への視点教養について考える自分を育てる学生生活の過ごし方20ビジネスシーンで求められる教養とは寄稿●2川上 真史ビジネス・ブレークスルー大学 教授「4軸」と「4領域」を駆使してビジネスをもっと面白く科学技術が発展する今、私たちに必要な力は「創造的思考」。それは知識の補填と実践で身に付いていく。教養とは何か 最近、教養ある社員を求める企業が多くなってきました。私自身も、年間に何度も教養のセミナーを実施しています。しかし「教養=いろいろな領域に関する知識の豊富さ」と単純に考えられているケースも多いようです。そのような意味での教養は、ビジネスシーンではそれほど役立ちません。 教養とは英語でいうとリベラルアーツです。「リベラル」とは、「誰かに依存し頼ることなく、自分の考えや意思によって自由に生きつつ、社会から孤立することもない」という意味であり、「アーツ」は、「そのために必要となる基本的なスキル」を意味しています。例えば、昔の西洋社会におけるリベラルアーツでは、「文法学」「弁証法」「修辞学」などが求められました。文法学は、人を介することなく直接的に正確な情報を得るために必要でした。弁証法は今でいう「論理的思考」、修辞学は「プレゼンテーション力」です。いずれも、自分で情報を取り、論理的に考えながら何が事実であるかを判断し、自分の考えも人に理解してもらうことが、リベラルに生きるための基本スキルです。 では、今のビジネス社会において、誰かに頼ることなく自分で考え動くことで成果につなげつつ、所属する組織や顧客、社会からも受け入れられるための基本的な「リベラルアーツ」とは何でしょうか。所属する企業や職種などによってさまざまなものが考えられますが、共通することは3つあります。「創造的に思考する力」、「グローバルに適応する力」、「自分のパーソナリティを安定させる力」です。これらの3つは、どのようなビジネスを行う上でも、必須となる項目です。創造的に思考する力 これまでは、「論理的思考」が大切であると強調されてきました。しかし、最近は毎日のようにAIという言葉を聞きます。論理的思考は、人間の脳よりもAIで行ったほうが、より正確な判断につながる時代になってきているのです。英語も間もなく、進化した技術によって、日本語を話すだけで、正確に訳してくれるようになるはずです。このように、今まで人間が行ってきたことが、機械でできるように変化しています。では、これから人間が担うべきことは何でしょうか。それが「創造的思考」なのです。作業や判断は機械のほうが正確ですが、AIが創造的に物事を考えられるようになるのは、まだ先でしょう。これが、創造的思考の重要性が高まっている大きな理由です。創造的思考を身に付ける 創造的思考を発揮するためには、多くの視点を持っておく必要があります。一つの視点だけで創造的に考えるのは不可能だからです。普通の人よりも多くの視点をもって物事を考え、判断してい15

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る