IKUEI NEWS vol.79
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グローバル化と教養教育を率いる国際教養学部 千葉大学では、グローバル化の推進と教養教育の改革を掲げ、2016年4月に国際教養学部を新設しました。本学が2014年にスーパーグローバル大学(※)に採択され、さらにグローバル化を進める教育システムが必要であったことや、教養教育で課題となっていた「グローバル」と「地域連携」の双方を推進するためでもありました。また、同学部は大学全体のグローバル化と教養教育の改革を先導するパイロット学部という役割も持っています。 本学部では、自ら課題を発見し解決できる能力を育てる少人数での課題解決型教育とともに、「文理混合」を大きなテーマとしています。今の日本の教育では、高校生の時点で文系・理系に分かれて勉強し、大学では入学時から専門の学部で勉強を始めます。しかし、世の中にある課題というものは、文系・理系にはっきり分けることはできません。どんな課題も、一つの学問で解決できるとはいえず、多岐に渡る学問や考え方を総動員し、調和させることが求められます。私たちは、学問分野から出発するのではなく、課題解決における「主題」から出発し、その解決に必要な学問を自ら選び学び取ることができる学生を育てていこうと考えています。教養とは「問題を発見する力」 学部名にあるように「教養」をうたうことは簡単ですが、これが教養という答えがあるわけではなく、非常に難しいテーマです。しかし、私自身が考える教養を述べるとするなら、「問題を発見する力」だと思います。何が問題なのか、何を解決しなければいけないのかを自分で考えられることが、現代社会を生きていく上で非常に大きな柱となります。物事の本質を見極める力、ともいえるでしょう。 その能力を身に付けるベースとなるのは、幅広い基礎学力だと思います。自分が好きな学問を突き詰めていくことも大切ですが、広い知識を持ち、物事を多面的に見て、問題を見極めることも大切です。専門という高い山を築くためには、同時に裾野を広げていかなければならないのです。 基礎学力といっても、単に知識を詰め込めば良いわけではありません。例えば歴史はよく「暗記モノ」という表現をされますが、暗記だけで済むような学問は存在しません。大切なのは、勉強を通じてその分野における「物の考え方」を学ぶことです。狭い分野から広く派生させ、基礎学力を高める 幅広い知識を身に付けるにはいろいろな方法がありますが、私の場合は好きな分野から次々と広げていく、という方法を実践していました。私の専門分野は歴史学、中でも中部・東部ヨーロッパの近現代史です。そのとても限定※世界レベルの教育研究や国際化を進める大学に対し、文部科学省が支援する制度であり、支援対象となる大学のこと。千葉大学副学長(教育改革担当)/国際教養学部長 小澤 弘明大学生に必要な「多面的視点」大学生にとっての教養9

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