IKUEI NEWS vol.78
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 図2の調査で「何でも話せる」と表現されている、友達の中でもより親しい存在を、私たちは「親友」と呼びます。寄稿でご執筆いただいた神戸女学院大学の須藤春佳准教授も述べていますが、親友とは「心を許し、深く理解し合っている友達」で、自分にとってかけがえのない存在と言えます(17〜18ページ参照)。 では、今の大学生に、親友と呼べる存在はいるのでしょうか。2012年に公益社団法人東京広告協会主催で行われた大学生意識調査によると、親友が「いる」と答えた学生は89・9%。ほとんどの学生は、親友と呼べる友達が存在すると回答しています(図3)。 この調査では親友が「いる」と答えた人に、「親友」と「普通の友達」の違いを聞いています。トップに挙げられたのは「何でも話せること」(図4)。 2位と3位を見ても、共通しているのは「話す」ことであり、互いに話し合えることを「親友」の条件にしている学生がいかに多いかが分かります。 親友と認め合えるような関係になるには、自分をさらけ出し、相手を受け入れる姿勢が必要です。そのため、食い違う意見を議論したり、言い争いになってしまったりということは避けられないように思えます。しかし、「何でも話せること」を親友の条件としていながらも、1年以内の友達との口論経験は72・5%が「ない」、「あまりない」と答えています(図5)。 編集部インタビューにご登場いただいた、金沢大学人文学類の岡田努教授は、こうした若者の友人関係の特徴を「気を使う」と表現し、関係が悪くなるような傷つくリスクは避けたがるという傾向があると言います(7〜8ページ参照)。つまり、表面上だけで深入りはしない友人関係を築くことが多くなっているのです。 その一因には、同じく編集部インタビューに登場いただいた椙山女学園大学名誉教授の武長脩行先生が言うところの「超コミュニケーション社会」があるでしょう(9〜10ページ参照)。2000年代前半、インターネットと携帯電話の普及が進み、今や国民全員がそれらを使用していると言っても過言ではありません。さらに、現代はSNS最盛期でもあります。本特集寄稿で、筑波大学人文社会系の土井隆義教授も述べていますが、インターネットは友人関係を拡大させたわけではなく、身近で同質な友達とつながり易くしました(11〜12ページ参照)。衝突を避けながら、話が合う特定の友達とだけ付き合う。こうした状況で、「親友」と呼べる友人関係は築けているのでしょうか。 今号の特集の取材現場で、いくつかの共通し大学生にとっての「親友」とは互いに気を使い合うのは、「本当の友達」?友達は多いほど良いわけではない〈図3〉 親友の有無全体:N=800親友がいるベース:N=719※上位5項目までをピックアップ計公益財団法人東京広告協会 大学生意識調査プロジェクト FUTURE2012「友人関係に関する意識調査」より〈図5〉1年以内の友達との口論経験の有無全体:N=800公益財団法人東京広告協会 大学生意識調査プロジェクト FUTURE2012「友人関係に関する意識調査」より〈図4〉 「親友」と「普通の友達」の違い公益財団法人東京広告協会 大学生意識調査プロジェクト FUTURE2012「友人関係に関する意識調査」より89.9%1位132人いる計27.5%ある計72.5%ない何でも話せること2位98人本音で/気兼ねなく話し合えること3位71人悩みまで話せること4位61人一緒にいたいと思える/価値観が合うこと5位56人気を使わないでいられること10.1%いない4.5%よくある23.0%たまにある32.5%あまりない40.0%全くない3

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