IKUEI NEWS vol.78
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勉学と研究のみならず、「人」としても伸ばす大学環境をこれからも理系憧れの東京理科大学としてひた走るのみ-----勉学以外では、学生のためにどのような施策を行っていますか。 基礎工学部の1年次限定ですが、北海道・長万部キャンパスで1年間全寮制で過ごします。基本的に4人部屋で1グループ、4グループで1つのクラスを組んでの共同生活です。先輩がいない環境で何でも自分たちの力で行い、学内のことはもちろん、長万部町との共同で行う取り組みも、全て学生の手で行います。ここで1年間過ごすことで、学生は本当に色々な部分で成長します。 さらに、ここで築かれた友人関係やネットワークは2年生以降もずっと続きます。基礎工学部には、「電子応用工学科」、「材料工学科」、「生物工学科」の3学科がありますが、長万部では学科を混ぜてグループを組むため、違う学科の友達ができます。これが卒論のときなどに、違う専門の意見をもらうことで活かされています。 ほかに、私が大事にしているのは本を読ませることです。そこで、神楽坂・野田・葛飾の各キャンパスに学生が自由に手に取って読める新書本や文庫本を集めた「新書文庫コーナー」を設置しています。本は、私と塚本桓世元理事長、父母会(こうよう会)で寄贈しました。本学出身の新潮社社長にも1000冊ほど寄贈いただき、現在では約8000冊になりました。本は教養を深めてくれます。もっと多くの学生に本を読んでもらいたいですね。-----2010年に学長に就任してから8年目。これからのビジョンについてお聞かせ下さい。 私は、理系学生に向けた論語の本から小学生向けの科学の本まで、たくさんの本を執筆しています。私個人の目標としては、本の執筆活動を通じて、子どもたちに科学の面白さを伝えること。今の小中高生では「理科離れ」が広まっており、「七五三問題」になっています。七五三とは、理科が好きな人の割合のことで、小学5年生で7割、中学2年生で5割、高校2年生になると3割まで落ちてしまいます。私は今後も本を執筆し続けることで、この割合を「八六四」に伸ばしたいと思っています。そして、理系に進む学生が増えた分、本学に来てもらえれば嬉しいですね。 現在、東京理科大学全体で男女比を見ると、およそ8対2。私の学生時代は、女子学生はほんの数名でしたから隔世の感があります。それだけ理系に進む女性が増えて実験に励む学生(長万部キャンパス)。長万部キャンパスでの藤嶋学長の授業風景。国際化のため、学内で外国人の学生や研究者の姿も見かける。神楽坂キャンパスの「新書文庫コーナー」(上)と、藤嶋学長の著書(下)。たけよ27

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