IKUEI NEWS vol.78
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-----長い歴史を誇る東京理科大学、その特長を一言で表すなら何でしょうか。 それは、ご存知の通り、「実力主義」の教育です。実力をつけた者しか卒業させない、成績が悪ければ留年させる、ということは開学以来の伝統であり、徹底しています。 具体的には、1年生から2年生へ上がるとき、3年生から4年生に上がるときに単位取得が必須となる「関門科目」を全学的に設定しています。特に、最初に待ち受ける1年次の関門は非常に重要な意味を持ちます。 入学時、1年終了時、卒業時の成績データを比較して見ると、入学時と卒業時の比較では、ほとんど相関性がなくバラバラでした。ところが、1年終了時の成績と、卒業時の成績を比較すると、綺麗に相関性があることが明らかになりました。これは、入学後、1年間で、2年生への関門を乗り越えるために必死で勉強した学生は、しっかりと実力が身に付き、その後の学業にまでつながる力がつくことを表しています。 通常、大学では入学した学生が同時に卒業することが多く、クラス会・クラブ等での年次基準は「○年卒」が基準です。しかし、本校では成績が悪い学生は本当に落第させますから、クラス会などの年次基準は卒業年ではなく「○年入学」が使われています(笑)。 しかし、だからこそ学生も本気で勉強をします。私はよく授業の様子を見て回るのですが、どこの教室も前の席から座って、先生の話をかじりつくように聴いている。実力主義だからこそ、いつの時代も本学で勉強する学生は一所懸命です。 学生としては本当に大変だと思いますが、ここまでやると本当に力がつきます。それだけに社会からの信頼もあり、高い就職率も実現できているのです。最近では大徹底した実力主義の教育がレベルの高い学生を育てる神楽坂キャンパスで勉強する学生たち。手企業の社長になるような人材も出てきましたね。さらに、夏目漱石の『坊ちゃん』の主人公が東京理科大学(旧・東京物理学校)を卒業した教員であるように、昔から数学・理科の教員を多く輩出しているところも特長です。-----研究にもかなりの力を入れているとお聞きしていますが、具体的な体制についてご紹介ください。 最近の理系では、大抵の学生が大学院へ進学します。本学も例外ではなく、薬学・生物・化学・電気・機械系の学科では7〜8割が進学しています。技術は日々進歩していますので、最近ではせめて修士課程は修了していないと研究の現場では通用しないと言ってもよいでしょう。 理系の「6年一貫教育」が当たり前になっている昨今で、本学では修士だけにとどまらず、博士課程まで進む人を増やしたいと考えています。なぜなら、研究に携わって一番「脂が乗っている」時期で、良い研究をしてくれるのが、博士課程の学生だからです。 現在、本学で博士課程に進むのは毎年100名ほど。これを増やすため、博士課程に進む学生全員に対して、授業料相当額の返還不要の奨学金を給付するという体制を作りました。実質、授業料を無料にしたわけです。予算もかかりますが、大学の研究レベル向上のために思い切って舵を切りました。 私自身も、いまだ研究を続けています。学長という役職にあっても続けることが、研究者として当然だと思っていますね。私が発見した光触媒反応は、ハウスメーカーをはじめ、日常の至るところに貢献しています。野田キャンパスに「光触媒国際研究センター」を持っているのですが、センター長として今でもディスカッションに参加したり、特許を出願したりと研究に大忙しです。そこでは、企業との共同研究、留学生や海外の先生たちと協力した国際化など、研究機関としての発展をどんどん進めています。同大学では研究の充実にも注力している。26

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