IKUEI NEWS vol.78
24/40

2007年、学生による、学生のための活動の場を提供することを目的に、「ピア(仲間を)・サポート(助ける)コミュニティ」として誕生した取り組み。「ピアネット」と改称された2012年以降は、総長主導のより全学的な活動へと発展しています。学部ともサークルとも異なる、新たなコミュニティは、学生にとってどんなメリットをもたらしているのでしょうか。友達づくりを後押しする、「第3のコミュニティ」 学生に対し、学部、サークルに次ぐ「第3のコミュニティ」を提供するピアネットは、今年で発足11年目を迎えました。現在、500名を超える学生たちがさまざまな部局の教職員と協力しながら、「学生が学生をサポートする」ための活動を行っています。 ピアネットの最も大きな活動が、オープンキャンパスの企画・運営です。昨年度はピアネットスタッフである学生の8割以上が参加し、大学のPRを行いました。最近ではオープンキャンパススタッフに憧れて、法政大学への進学を志す高校生も多いのだとか。 生物学を教えるかたわら、学習ステーション長(取材当時)としてプロジェクトの運営に勤しむ木原章教授は、「学生生活実態調査」というアンケートがピアネット開始のきっかけだったと語ります。 「『学生生活で困った時、誰に相談しますか』という質問に対し、ほとんどの学生が『友達に相談する』と回答。一方で、大学の相談窓口を利用すると答えた学生はゼロに全てではない、ということを学んで欲しいです。さまざまな性格の学生が互いを尊重し、チームワークを発揮することは、双方にとって良い勉強になりますし、より強固な友人関係が育まれると思います」。 最後に、ピアネットの今後の展望について、木原教授にうかがいました。 「これまで、学生同士の交流は個々のプロジェクトの中で完結しており、昨年開催されたピアネットのシンポジウムでは、他のプロジェクトの存在を知らない学生も多く見受けられました。より多様な友人関係を築いてもらうため、今後はプロジェクト間のコラボレーションを企画するなど、横の連携を意識していきたいと思います」。等しく、アンケートは、大学が学生の悩みに介入できていないことを如実に物語っていました。私達はこの時初めて、大学のすべきことが窓口の設置などではなく、学生同士で交流を深められる環境、『第3のコミュニティ』の構築だ、と気がついたのです。学生が困難を乗り越えるためには、同じ学生である友達の存在が不可欠だからです」。 特に、学業に関する困難からの脱却は、友達の有無によるところが大きい、と木原教授。 「進級できない学生には『友達がいない』というケースがよく見られます。わからないことを教え合い、講義をサボろうとしたら叱咤する。一見なんてことのない関係性が、学業においては非常に重要なのです」。ピアネットでの交流は、強固で多様な友人関係を生み出す ピアネットに参加する学生の性格はさまざまで、すぐにリーダーシップを発揮できる者もいれば、反対に消極的な者も少なからず存在しています。木原教授は、ピアネットが後者にとっても居心地がよく、活躍できる環境になるよう意識している、とのこと。 「彼らは前面に立つことは苦手ですが、リーダーシップをとる学生の傍で働く過程で、フォロワーシップを発揮する可能性があります。成功体験を積んで、自信をつけてくれたら嬉しいですね。反対に、リーダーシップをとる学生に対しては、積極性が法政大学 ピアネット困難を乗り越える鍵は、友達が握っている明日への視点かけがえのない友達をつくる自分を育てる学生生活の過ごし方19経営学部の木原章教授。オープンキャンパスを運営する、ピアネットスタッフの皆さん。21

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る