IKUEI NEWS vol.78
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校友会名簿に代わる連絡手段として開発されたSNS 千葉大学校友会がCurioをスタートしたきっかけは、「個人情報の保護に関する法律」が2005年に制定され、それまで各学部の同窓会で行ってきた会員名簿の作成・配布が困難になったことでした。名簿は卒業生同士をつなぐ大切な連絡手段。名簿の代わりとなり、かつ個人情報も保護できる方法を模索した結果、当時流行し始めていたSNSに目をつけたのです。 Curio最大の特徴ともいえるのが、「実名開示」です。Curioに導入時から携わっている千葉大学大学院人文社会科学研究科の大塚成男教授は、「ネット上での実名開示に抵抗感を持つ会員は多く、反対意見も多かった」、と当時を振り返ります。 「名簿の代わりであるからには実名開示は必須。個人情報を守るため、登録時の資格確認を強化しました。登録時は必ず校友会事務局が審査し、在籍記録を確認してから、事務局が登録をします。手間はかかりますが、これにより実名開示の安全性が確保されています」。 Curioの主な機能は、「友達の検索」、「メッセージ機能」、「コミュニティ(会議室)」の3つ。Curioの機能について、大塚教授にご説明いただきました。行われるやり取りは短期的です。他のSNSとCurioでは、その「スピード感が異なる」と大塚教授は語ります。 「Curioは月に1回程度の閲覧を想定しています。回転の速いやり取りについては、他のSNSで構わないのです。Curioの役割は、卒業生同士の安定した連絡手段として、長く在り続けること。そして、バーチャル上の交流を、リアルな交流へつなげる架け橋であることです」。 大塚教授は、大学時代の友達の良いところは、「利害関係のない点」だと語ります。 「いつまで経っても、会えば学生時代に戻ってくだらない話で盛り上がることができます。大学生の皆さんにはまだ分からないと思いますが、この時期の友達との付き合いは気楽だと私自身も実感しています。この貴重な関係をいつまでも大事にしてほしい、という思いがCurioには込められているのです」。 「まず、『友達の検索』についてですが、登録する氏名は大学在籍時のものにこだわっているので、友達が結婚した場合でも簡単に探すことができます。そして、見つけた友達には直接『メッセージ』を送ることができます。卒業からしばらくすると、連絡先が変わっていて連絡が取れないこともあるでしょう。Curioはそうしたシーンで、気軽かつ有効に活用できるのです。『コミュニティ』は、メーリングリストのようなもの。例えば自分の所属していたゼミでコミュニティを作れば、集まりを開催したいときに一斉に声をかけることができます。 また、校友会からのお知らせや、千葉大学に関わる写真をアップする『千葉大写真館』などの校友会としての情報提供の機能ももちろんあります」。利害関係のない大学時代のつながりをいつまでも 着々とCurioの認知度・利用度も上がってきており、最近では70歳代の卒業生の登録も珍しくないといいます。今後は卒業生にとどまらず、「在学生も巻き込んでいきたい」と語る大塚教授。 「在学生と卒業生をつなぐ機能を組み立てていきたいですね。就職活動をする学生がOB・OGとの関わりを作る、などの使い方もできると期待しています」。 現在、続々と新たなSNSが登場しており、そこでは目まぐるしく情報が更新され、千葉大学の同窓会組織「千葉大学校友会」は、卒業生を基本対象とした独自のSNS、「Curio」を2007年 10月に導入しました。開始から 10年経った現在、その会員数はおよそ6000名にのぼります。なぜ大学同窓会が独自のSNS運営に踏み出したのか、そしてCurioが果たす役割についてお話をお聞きしました。千葉大学 校友会SNS Curio(キュリオ)大学で培ったつながりを卒業後も継続するためのSNS大学院人文社会科学研究科の大塚成男教授。Curioのマイページ画面。事例取材 友達づくりを支援する取り組み20

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