IKUEI NEWS vol.77
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が採用基準で重視する項目を見てみましょう(図4)。「人柄」「自社への熱意」「今後の可能性」が圧倒的に高く、「取得資格」を重視しているのは11・9%。この図を見ていくと、採用を決める際に、企業が現状のスキルや能力ではなく、その「人となり」を評価していることがよく分かります。採用において、資格が決め手となるわけではないのです。 今回の事例は資格取得を支援する大学3校、企業2社、そして資格取得に励む学生サークル一つにお話をお伺いしました。寄稿では4人の先生にご執筆いただき、資格取得に関する事実が、本特集の記事にさまざまな形で掲載されています。 特集記事の作成にあたって、取った資格は就職に直接結び付かないにしても、大学生が資格取得に挑むこと自体は決して無意味なものではないと感じました。大学生のうちに資格にチャレンジすることのメリットとして、今回の取材でよく耳にしたのは、自らの「自信」につながるということです。資格にチャレンジして合格した時の達成感や成功体験は、自己肯定感を高めることになります。 もう一つ耳にしたのが、「勉強習慣を身に付けられる」ということです。全国大学生活協同組合連合会の「第51回学生生活実態調査の概要報告(2016)」によると、大学生が1週間のうち、授業時間を除く予習・復習・論文などの大学の勉強をする平均時間は385・7分(1日55・1分)。大学以外の勉強に費やす時間では平均で170・4分、1日に換算すれば24・3分と報告されています。勉強することが本分である大学生全体としては、学外ではあまり勉強をしていないということです。普段勉強をする習慣がない学生にとって、資格の取得を目指すことは定期的な勉強が促されるという利点になります。本特集にご寄稿いただいた、慶應義塾大学総合政策学部講師の堀内泰利先生が言うように、これからは生涯現役の時代(9〜10ページ参照)。資格の勉強を通して、継続して学ぶ姿勢を学生時代に身に付ければ、将来の自分の糧にもなり得ます。 編集部インタビューで児美川教授が語るように、資格はあくまでも付加価値にしかならず、絶対的な効力を持つものではありません。資格の勉強に注力しすぎて、大学生の本分である専門分野の勉強や、アルバイトやサークルに精を出して充実した学生生活を送ることを疎かにしてはいけません。 これから資格を取ろうと考えている大学生の皆さんは、資格について、いま一度よく考えてみてください。「就職活動に有利になりそうだから」、「周りが勧めるから」、「とにかくたくさん資格がほしいから」。あなたの目的は本末転倒ではありませんか。そこにしっかり自分の「目的」はありますか。資格取得自体を目的にせず、活用してこその資格。まずは「資格」に対する正しい認識を付けるところから始めてください。本当に資格を取りたいと思ったときは、事例で紹介するような、サポートが充実した大学や企業があなたの助けとなるでしょう。本特集が、皆さんが「資格」と正しく向き合うきっかけとなれば幸いです。資格を取得するならまずは正しい認識を持ってから資格に挑むことがメリットを生む〈図4〉 企業が採用基準で重視する項目株式会社リクルートキャリア「就職白書2016 -採用活動・就職活動編-」より人柄自社への熱意今後の可能性性格適性検査の結果能力適性検査の結果学部・学科/研究科大学/大学院で身につけた専門性アルバイト経験大学/大学院での成績大学/大学院名語学力大学入学以前の経験や活動知識試験の結果取得資格所属クラブ・サークル所属ゼミ・研究所海外経験趣味・特技ボランティア経験インターシップ経験パソコン経験・スキルOG・OB・紹介者とのつながりその他(企業 N=1231)020406080100(%)93.0%79.0%68.4%41.2%34.8%24.7%23.5%22.0%19.3%17.1%15.4%12.8%12.5%11.9%11.5%6.3%6.1%5.4%5.2%4.5%4.0%1.5%2.4%4

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