IKUEI NEWS vol.77
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「資格」を正しく捉えて、有効に活用する 一般的に「資格」と呼ばれるものには大きく分けて2種類あります。特定の職業に従事する上で取得が必ず求められる「職業資格」、業務に取得が必須ではないものの、一定の専門性を証明する「非職業資格」の2つです。 さらに、資格は認定する機関の属性によっても種類が分けられ、大きく分けて「国家資格」、「公的資格」、「民間資格」の3つがあります。 「国家資格」とは、国の法律に基づいて、個人の能力や知識が見極められ、特定の職業に従事できる証明となります。医師や弁護士、公認会計士など、有資格者以外の従事が禁じられている業務を独占的に行うことができる「業務独占資格」や、中小企業診断士など特定の名称を名乗ることが許される「名称独占資格」などがあり、職業的な地位を確保できる資格もあります。 「公的資格」とは、国家資格と民間資格の中間に位置付けられる資格で、文部科学省や経済産業省などの官庁や大臣が認定し、民間団体や公益法人が実施するもの。国家資格のように法律で規定された資格ではありませんが、秘書検定や簿記検定など、知名度が高い資格が数多くあります。 「民間資格」とは、民間団体や企業等が独自の審査基準を設けて任意で与える資格。法律による規制がないため、社会的な評価がほとんどない資格から、TOEICなど国際的な基準によって認定される資格まで、さまざまなものが存在します。 本特集で取り上げるのは、専門資格の中でも特定の職業に必須ではない「非職業資格」。昨今、資格として話題になることが多いのは、ある職業に就くための資格ではなく、一般教養として自分の付加価値を高めるための資格です。 資格は1990年代後半から2000年前半に、ある種の「ブーム」を迎えました。資格のガイドブックが本屋に並び、資格学校の広告を多く目にするようになりました。今回の事例取材に登場した大学やサークルが資格への取り組みを始めたのも、ちょうどこの時期からです(15〜18ページ参照)。 「資格ブーム」のきっかけは、1991年にバブルが崩壊し、平成不況と呼ばれる時代に突入したことだと考えられます。年功序列型賃金で終身雇用が当たり前だった、日本独特の雇用のスタイルのまま不況になったため、正規雇用者として雇われる数が絞られ、非正規雇用者は増加。就職が困難な、氷河期の時代が訪れたのです。雇用は不安定化し、自分に能力がなければ生き残ることができない状況になりました。そこで始まったのが資格という「能力の証明書」の取得でした。 四半世紀を経た今も、世間の資格への注目度は冷める気配を見せていません。独立行政法人労働政策研究・研修機構の「20〜50代1600名の職業スキル・生活スキル・職業意識」調査結果によると、一般成人(社会人など)が最も後悔していることは、「学生時代に英語の勉強を十分にしなかったこと」に次いで「資格をとらなかったこと」(図1)。社会人がキャリアにおいて、いかに資格を重視しているかが分かります。1990年代後半の「資格ブーム」〈図1〉 一般成人が後悔していること独立行政法人労働政策研究・研修機構による調査(2013)より後悔していることはないそもそも資格とは資格をとらなかったこと29.9%学生時代に読み書き計算などの基礎的な勉強を十分にしなかったこと14.7%学生時代に実際の仕事に役立つ勉強をしなかったこと19.8%学生時代に英語の勉強を十分にしなかったこと32.9%学生時代に友達を多くつくらなかったこと14.6%就職活動がうまくいかなかったこと16.9%31.4%05101520253035(%)2

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