IKUEI NEWS vol.77
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弁護士を目指し勉強に費やした4年間 私は弁護士を志し、大学3年生の頃から本格的に司法試験に向けて勉強を始めた。現行の制度では、司法試験の受験資格を得るためには、法科大学院を修了するか、司法試験予備試験という試験に合格しなければならない。私の場合は、九州大学を卒業した後、京都大学法科大学院を2年間で修了し、受験資格を得た。大学生の頃は、司法試験に向けた勉強ばかりをしていたわけではないが、およそ4年もの間、「司法試験」という一つの試験に向けた勉強に取り組み続けたことになる。同志たちと高め合い掴み取った弁護士資格 資格試験の勉強というと、黙々と孤独に机に向かうというイメージがあるかもしれない。しかし、司法試験の勉強においては、友人と協力し議論を重ねることが重要であった。司法試験では、現実の紛争を想定した長文の事例問題について、迅速かつ的確に法的な検討を行い、論述することが求められる。現実の紛争解決の仕方にただ一つの正解というものがないように、司法試験の論述においても、一義的な正解というものは存在しない。一義的な正解が存在しない中で、自分の考えを説得的に論じる能力が必要とされる。この能力を養うためには、多くの友人と議論をし、幅広い視野を身に付けることが有益であった。また、同じ目標を持った友人と切磋琢磨することは、モチベーションを保つことにもつながった。私が合格できたのは、大学や大学院の友人たちのおかげであると思うし、彼らには本当に感謝している。 試験勉強にかけた時間は長かったが、試験の先に見据えた目標が常にあったため、勉強すること自体はさほど苦ではなかった。司法試験を通じて、試験合格を最終目標とするのではなく、試験に合格して得た資格を生かしてやりたい仕事をすることを目標とすることが重要だと実感した。「生涯勉強」をモットーにこれからも学び続ける 「生涯勉強」。司法試験合格後、大学院の合格祝賀会で教授がおっしゃった言葉である。実際、司法試験に合格した今も、私は司法修習という研修に向けた勉強に取り組んでいる。修習を終えて弁護士となってからは、さまざまな事件に取り組む中で、これまでよりもさらに多くのことを学ばなければならないだろう。資格を生かし社会の中で働くことの方が、資格を取得するよりもはるかに難しい。これは、資格が必要な職業の多くに共通することではないかと思う。資格を得たことで満足するのではなく、その資格を生かすため、「生涯勉強」していくつもりである。京都大学大学院 法曹養成専攻 2016年度卒 江上 裕騎司法試験に合格司法試験を乗り越えて「奨学生のページ」は奨学生の活動について報告するページです。今回は、資格の中でも最難関である司法試験に合格した江上裕騎さんと、公認会計士試験に合格した川口友里さんによるレポートを紹介します。司法試験の合格証書。愛用の万年筆とボールペン。司法試験本番でも使用。31

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