IKUEI NEWS vol.77
25/40

病院の研究室で働きたいと希望している。そのため、彼女は卒業までにフィジカル・セラピー(物理療法)のインターンシップ免許を取得するつもりだという。「健康な心は健康な体に宿ると言うでしょ」と笑う。 「こういったサーティフィケートは、就職の時、大きな助けになる」と、アイディアリスト財団のスポークスマンも保証する。 「サーティフィケートは、就職希望者がその業界に真摯な興味を持っていることの証となると考える雇用者は多い。ただし、そのサーティフィケートが業界で重要視されているか、またはどの程度の権威と信用を持っているかが問題になるので、サーティフィケートを取る努力をする前に、大学の教授や業界のプロに、その点について聞いてみる努力が必要だろう」と言う。 学生がサーティフィケートを求めるもう一つの場合は、自分が選んだ専攻に疑問を持ち始め、他の分野のキャリアに移るべきかどうかを知りたい時だ。希望する分野のサーティフィケートやライセンスを取ることで、その業界の内情や自分の適性が判るからだと、アイディアリストは言う。ニューヨーク大学で経営学を勉強しているトム・サッコー(匿名)はその例だ。彼は2年生の時、ひょんなことから、 ビデオゲームの世界に興味を覚え、この分野をキャリアにしたいと希望するようになった。そこで、ビデオゲームの世界とはそもそもどういうものかを知るために、ビデオゲームのサーティフィケートを出しているニュージャージー州のカムデン・カウンティ短期大学の夜間部に入学した。サーティフィケート取得までに最低一年はかかるが、「テクノロジー以外にもいろいろ勉強できるので、無駄な時間とは思わない」と言う。例えば、ゲーム制作のテクノロジーだけでなく、プロジェクト・マネージメント、音楽、プログラミング、マーケティング、コーディングなどもいることも大きな理由になっている。また、大学を卒業したものの、自分の求める職場が見つからない学生の中には、そのまま大学院に入る者も少なくない。その結果、米国では、今ではBS(理学士号)、BA(文学士号)だけでは就職のための資格として充分ではなくなった。「修士号を持っていなければ、書類選考の段階で落とされてしまうケースもある」と、ネオポスト(Neopost)社のHR主任マリー・オリベラスは言う。 しかし、すべての大学卒業生が大学院に行けるわけではない。経済的な面からも、修士号を取るための2年という時間的な面からも、そんな余裕のない大学卒は多い。そして、こういった状況から、サーティフィケート、またはライセンスと呼ばれる短期間の資格取得行程が重要な役目を果たすようになっているのである。「修士号がなければサーティフィケートでも、と考える雇用者や就職希望者は多いのだ」と、オリベラスは言う。サーティフィケートを取得する学生の二つの目的 こういった大学生を助けるために、米国のほとんどの大学は、さまざまなサーティフィケートやライセンス(営業許可書)取得のためのカリキュラムを組んでいる。ほとんどは課外活動かオンライン・クラスだ。数ヶ月、もしくは数週間という短い時間の間に取得できるものも多い。つまり、普通の授業を受けながら、サーティフィケートを取得することが可能なのである。 大学生、大学院生にアドバイスを与えることを主業とする非営利団体アイディアリスト(Idealist)は、サーティフィケートの取得を希望する学生には二種類あると報告している。一つはいま勉強している専攻過程に関するより深い知識を得る、もしくはそれに関連した他の知識を求める学生たちだ。 例えば、ロードアイランド州にあるジョンソン&ウエールズ大学でビジネス・アドミニストレーションを勉強しているキャサリーン・メンダーラは、その例だ。卒業後のゴールである〝ウエディング・プランナー〞になるために、彼女は3年生の時、TIPS(Training for Intervention ProcedureS)というアルコール・ミックソロジー(カクテルの技術)のサーティフィケートを夏休みの6週間を費やして取った。「このサーティフィケートがあるかないかで、プランニングの質が変わってくると思って」と彼女。卒業後は、オンラインでウエディング・プランニング・サイトを立ち上げる計画を立てている。TIPSのサーティフィケートはサイトの重要なクレデンシャル(資格)になると言う。 在学中にサーティフィケートの取得に努力する学生の多くは、このタイプに入る。例えば、スタンフォード大学で心理学を勉強しているジョーダン・ホルメンは、将来、大学かジョンソン&ウエールズ大学の学生、キャサリーン・メンダーラの夢はウエディング・プランナーになること。そこで彼女は在学中にカクテル作りのノウハウを勉強し、TIPS財団からサーティフィケートを受領。スタンフォード大学の学生ジョーダン・ホルメンの専攻は心理学。将来、病院か大学のラボで働くために、フィジカル・セラピーのインターンシップ免許を取りたいと言う。22

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る