IKUEI NEWS vol.77
13/40

すが、学生時代に学習する習慣ができていなかったことの影響とも考えられます。  資格取得を学習習慣とキャリア開発に役立てる 資格取得を学習習慣とキャリア開発の視点から、その意義と重要性について考えてみましょう。 1つ目に、資格取得に取り組むことは、自分の将来の職業選択やキャリア形成を考えるきっかけになることです。資格の勉強を通して、その職種・仕事が自分にとって興味・関心が持てるものか、自分が目指すキャリアにつながるものなのかなどを検討することに役立つということです。 2つ目に、資格の勉強をすることでその職種・仕事で必要となる基本的な知識・スキルを体系的に学ぶことができることです。将来目指す職種がある程度明確であれば、ビジネス・キャリア検定や宅地建物取引士資格などもお勧めです。また、簿記検定、秘書検定、IT系資格などは、その職種・仕事に就かなくても、ビジネスパーソンとして必要となる基本的な知識やスキルを身につけることができます。さらに、これらの資格取得や語学検定は将来の職業選択やキャリアの可能性を広げることにもつながります。 3つ目に、資格取得のために目標と学習計画を立て、継続的に勉強に取り組むことは学習の習慣化につながることです。前述の通り、学生時代に学習習慣を身につけることは、今後の生涯学習を続けていくためのベースになるものです。 4つ目に、資格取得の勉強は大変ですが、自ら目標と計画を立て継続することでセルフマネジメント力を高め、それをやり遂げることにより自信につながり自己効力感を高めることになることです。セルフマネジメント力や自己効力感は、キャリア形成において極めて重要な要素だといわれています。 なお、資格取得にあたり注意していただきたいことは、資格取得そのものを目的としないこと。資格を選ぶにあたっては自分の将来の職業選択やキャリアをしっかり考えて行うことです。また、大学生の本分である大学の授業・ゼミ・研究への主体的な取り組みはもちろん、授業外のサークル活動、社会・地域活動、ボランティア、インターンシップなどさまざまな経験を積むことが将来につながるものであることも忘れないでほしいと思います。社会に出てからも資格取得は重要 今後、日本においても職業資格・検定の重要性が高まっていくものと考えられます。労働市場の流動化がさらに進展し、エンプロイアビリティの重要性が高まる中で、個人の職業能力を評価し証明する職業資格・検定が今後拡大していくものと考えられます。そしてキャリアを形成していく中で継続的に資格を取得することが不可欠な時代になっていくものと考えられます。 私は多くの社会人のキャリア支援に関わってきましたが、自律的にキャリアを形成している人は、自身の将来のキャリアに必要な資格や知識・スキルを計画的、継続的に学習・取得し、キャリアを構築されています。大学生や若手社会人の皆さんには、是非積極的に資格取得にチャレンジし、自らのキャリアを切り開いていっていただきたいと思います。1952年生まれ。1975年横浜国立大学卒業後、日本電気株式会社(NEC)入社。人事・人材育成業務に長年携わり、2002年からキャリアアドバイザーとして従業員のキャリア形成を支援。2013年筑波大学大学院博士後期課程修了、博士(カウンセリング科学)。2014年にNECを退職し現職。慶應義塾大学のほか、東京経済大学、専修大学でキャリア関連の授業を担当している。著書に『生涯発達の中のカウンセリングⅢ』(執筆分担、サイエンス社)、『キャリアデザイン支援ハンドブック』(執筆分担、日本キャリアデザイン学会編、ナカニシヤ出版)など。堀内 泰利(ほりうち やすとし)10

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る