IKUEI NEWS vol.77
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キャリア自律、生涯現役、生涯学習の時代へ 以前の日本企業では、会社主導で社員の能力開発やキャリア開発が行われてきました。しかし、バブル経済崩壊以降の経済停滞と構造不況、技術革新の進展、グローバル競争の激化等、事業環境の大きな変化の中で、終身雇用と年功序列をベースとした日本企業の雇用慣行が崩れ、エンプロイアビリティ(社員の雇用されうる能力、労働市場で通用する能力)が強調されるようになり、社員は会社に依存するのではなく、自己責任において自律的にキャリアを形成するキャリア自律が求められるようになりました。 さらに、2016年4月に施行された職業能力開発促進法改正では、「労働者は職業生活設計を行い、その職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発及び向上に努めるものとすること」とされ、キャリア開発の自己責任が法律でも明記されました。 一方、日本人の平均寿命が大きく延び、人生80年、90年の時代になりました。急激に進む少子高齢化で、2060年には65歳以上の高齢化率は40%近い水準になると推計されています。働く人が減少する中で、年金の支給開始年齢の引き上げに伴う定年延長・雇用延長など、多くの人にとって生涯働き続ける「生涯現役」の時代になっていくものと考えられます。 今後ますます技術革新や環境変化が激しくなっていく中で、環境変化に対応しながら長期にわたる職業生活・キャリアを自律的に形成し、社会に貢献していくためには、常に新しい知識や技術を学び続ける生涯学習が不可欠になってきます。大学時代に学習習慣を身につける 前述の通り、これからは生涯にわたり学習し続けることが不可欠であり、長期にわたるキャリア形成においては、就職後に仕事を通じて必要な知識・スキル・能力を学習し身につけることの方が大学で学ぶことよりはるかに多いといえます。さらに、変化が激しく、新しい考え方や技術・知識が生み出され、技術・知識の陳腐化が進む、何が起こるかわからない不透明なこれからの社会においては、何があっても自身のキャリアを構築し続ける力であるキャリアコンピテンシーや人間力が重要になります。 では、生涯学習の視点から大学で何を身につけていけば良いのでしょうか。それは、何を学ぶべきか、何が必要な知識・能力であるかを自ら考え、それらを主体的、継続的に学び続けること、生涯にわたって勉強していく学習習慣を身につけることではないでしょうか。就職後に必要な知識・能力を身につけることができるかどうかは、学生時代の勉強の取り組み方が影響しているとの研究結果もあります。また、ある調査では仕事以外に勉強しない社会人が8割もいるとの調査結果がありま資格取得が社会に出てから与える好影響寄稿●2堀内 泰利慶應義塾大学総合政策学部講師(非常勤)・SFC研究所上席所員/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント資格取得で学習習慣を身につけ、自らのキャリアを切り開くキャリア自律が求められる中、時代は「生涯現役」へ。若いうちに資格取得を通じて学ぶ習慣を身につけ、一生学習し続ける姿勢へとつなげる。明日への視点「資格」と正しく向き合う自分を育てる学生生活の過ごし方189

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