IKUEI NEWS vol.77
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小俣 光文(おまた みつふみ)1965年山梨県生まれ。慶應大学商学部卒業後、監査法人朝日新和会計社(現あずさ監査法人)に勤務。1992年に同社を退職し、同年早稲田大学大学院商学研究科修士課程へ進学。1994年修士課程を修了後、1996年に同大学院同研究科博士後期課程へ進み、1999年単位取得退学。その後、明海大学経済学部専任講師、東京経済大学経営学部助教授、明治大学経営学部准教授を経て、現在に至る。主な研究分野は会計監査論。著書に『監査役監査と公認会計士監査との連携のあり方』、『監査報告書の新展開』などがある。あります。ワイナーは、成功・失敗の原因を下図のように分類しました。 自分でコントロールでき安定した原因が「能力」であり、自分がコントロールできるものの不安定な原因が「努力」です。また、自分でコントロールできないものの安定した原因が「課題困難度」であり、自分でコントロールもできず不安定な原因が「運」です。成功の原因を「能力」に帰属させる人の方が、「運」に帰属させる人よりも次の課題も成功するという期待が高くなるため、次の課題へ挑戦する意欲が高く、失敗の原因を「能力」や「課題困難度」に帰属させる人の方が、「努力」に帰属させる人よりも次の課題では成功するという期待を抱くことができず、次の課題への挑戦意欲が低くなるというものです。 資格取得に成功した場合には、自分に能力があるのだという自信につながります。たとえ失敗しても、失敗の原因を試験の難しさや運のせいにするのではなく、自分の努力が足りなかったのだと思うことにより、自分の能力に疑いを持たなくて済みます。そして、失敗した原因を分析し、その原因を克服することにより、次の成功につなげることで自信を持てるようになります。社会に出てからの仕事も課題をクリアしていくことの連続です。課題をクリアすることに対して自信を持ち、前向きに取り組める人を企業は求めているのです。③時間のマネジメント能力を向上させる 働くということは、限られた時間の中で優先順位をつけて目標を設定して、時間配分を効率的に行い、目標を達成することにほかなりません。資格を取得するためには、ある程度の勉強時間を確保しなければなりません。しかしながら、皆さんは大学の勉強だけでなく、サークル活動やアルバイトなど、多くのしなければいけないことを抱えているでしょう。その中で時間をやりくりして資格取得のための時間を確保しつつ、効率的に勉強しなければなりません。かといって、資格試験の勉強ばかりでゼミ活動や、友人との付き合いもできないようでは困ります。企業にとっては、みなさんが取得した難しい資格そのものが大事なのではなく、ゼミ活動や友人との付き合い、アルバイトといった様々な活動をしながら、上手に時間をマネジメントして難しい資格を取得したという点が重要なのです。最後に 学生の本分は「自ら課題を設定しその課題について新しい事実を発見していく」ことにあります。皆さんもこのような資格を取得することの効能を利用して、難しい課題にも挑戦し、学生らしい生活を送ってください。成功・失敗の知覚原因に関するワイナー(Weiner)のモデル出典 Bernard Weiner 林保・宮本美沙子監訳『ヒューマン・モチベーション 動機づけの心理学』   (金子書房)259頁内 的安 定不安定外 的統制の所在課題困難度運能力努力、ムード疲労、病気安定性8

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