IKUEI NEWS vol.77
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明日への視点「資格」と正しく向き合う自分を育てる学生生活の過ごし方18大学生が資格取得で得られる「価値」について寄稿●1小俣 光文明治大学 経営学部 教授大学生の資格取得には、将来につながる価値がある資格取得には知識の習得に留まらない価値がある。資格という課題に挑戦すれば、将来役立つ重要な能力を磨くことができる。資格取得には知識を得ること以上の意義がある 皆さんは、就職に役立つからと資格取得を目指しているかもしれません。医師や、弁護士、公認会計士といった、その資格を持っていないと仕事ができない資格もありますが、TOEICや簿記検定のようにその資格を持っていなくとも仕事ができる資格でも、一般に難しいとされている資格を取得していると企業から評価されます。英語を社内公用語にしている企業ならば英語は必須でしょうが、そうではない企業であってもエントリー時にTOEICのスコアを提出させる企業も増えてきました。なぜ企業はこうした資格を取得している学生を評価してくれるのでしょうか?それは、資格を取得しているということに対して、単にその分野に関する知識を習得しているという以上の価値があると認めているからなのです。資格取得に挑戦する3点のメリット 資格を取得することの価値としては以下のようなものがあげられます。①知識を使える形で定着させる TOEICやTOEFLで高スコアを取ったり、検定試験に合格して資格を取得するためには当然ながら、試験範囲となっている分野に関する勉強をしなければなりません。 明治大学経営学部は、グローバルの視点から、組織における正当な富の創造について理解し、それを財務面から考察できる人材の育成を目指しています。企業行動を分析するためには日々の財産の増減や変化を記録して、経営の成果をデータ化して経営に役立てる情報の基礎となる簿記の知識はどうしても必要となります。これからのグローバル社会において、企業組織の中で一緒にビジネスを行っていくのは日本人だけとは限りません。多国間の人々がコミュニケーションを取る場合は必然的に英語を使うことになるでしょう。さまざまな国の人々とともに仕事をするためには、英語でコミュニケーションを取れる能力が必要になります。 資格を取得するためには、こうした分野に関連した勉強をそれなりの時間、日々継続して行わなければなりません。このことは、大学生にとって必要な勉強する習慣をつけることにつながります。また、知識をインプットする勉強だけではなく、答案を書く段階で、これまで身につけた知識をアウトプットするということが必要になります。このアウトプットの作業を通して曖昧であった知識を、自らの中で整理し、必要な時に使える形で定着させることが可能となるのです。②課題達成へのモチベーションを高める 難しい資格を取得しているということは、困難な課題であっても、その課題をクリアするまで、忍耐強く努力できる能力があることの証明となります。動機づけに関する理論に、社会心理学者のワイナーの「成功・失敗の原因帰属モデル」が7

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