ikueinews vol76
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恵まれない子どもたちに直接的な支援を 「フィリピンで小学校を建てるんだ」。そう決心したのは大学入学後のことでした。私は、都内の大学生が集まる学生団体に所属し、約2年間フィリピンへの教育支援をしています。年に2回、現地へ赴き、小学校建設活動やワークショップ授業を行います。現在は、パナイ島イロイロ市に位置するプグハナンという農村にて小学校再建活動を行っており、私は電通育英会の海外留学・活動支援制度を利用して、全5回渡航しました。この小学校は地盤沈下や台風の被害で、床が傾き、天井には亀裂が入り、中には壁が崩壊した教室もあるといった具合に、大変危険な状態にあります。渡航した際は、現地の若者と協力して建設活動を行います。また、ホームステイを受け入れてもらう等、人のつながりを基に、共に学校を作り上げることを目指しています。さらに、私は昨年より団体の学生代表を務め、国内でも組織運営に尽力してきました。 きっかけは幼少期に感じた衝撃です。ある番組でアジア圏の少女がスラム街で暮らす姿を目にし、初めて貧困問題を知りました。以来、「いつか恵まれない子どもの役に立ちたい」という想いが心の中にありました。そして大学入学後、この団体を知りました。所属の決め手は直接的な支援です。自分の目で現状を知り、自分の耳で声を聴き、自分の手で役立つことができる。募金等をする際に、「このお金は本当に必要としている人に届くのだろうか?」と疑問を抱くことがあると思います。子どもたちが笑顔になる瞬間を見届けたい。だからこそ、現地の方と手を取り合える形を私は強く望んだのです。学生の力に限界を感じても全力で取り組み続ける 全てに体当たりで挑んだ2年間ですが、大きな葛藤がありました。それは学生の力の壁です。教育支援、と仰々しい表現を使っていますが、実際は一渡航につき1教室が時間面、資金面で精一杯なのです。支援先では合計8教室が必要であり、長い時間が掛かかります。一刻も早く安全な校舎で勉強して欲しい、けれど限度がある。国全土で見ても何万もの教室が不足しており、与えられる影響は微々たるものです。その中で私が信念として持ち続けてきたことは、「たとえ僅かでも、プラスを生み出せるのなら全力を尽くす」です。現在、政府や他NGOからの支援はありませんが、一人でも多くの子どもが安心して学習できるような教室を必要としています。同時に、学生が支援を行うことで、国内でフィリピンの現状を知ってもらう契機になるかもしれません。限られた中で最大限を生み、枠を少しでも広げられるようあがいて、その積み重ねが将来大きな影響に結び付くことを、私たちは願い信じています。東京外国語大学 国際社会学部3年 加藤 心雪みゆ きフィリピンでのボランティア活動教育支援で子どもたちを笑顔にしたい「奨学生のページ」は奨学生の活動について報告するページです。今回は、フィリピンでのボランティア活動で、大学生54名が在籍するボランティア団体(STUDENT NGO ALPHA)で学生代表を務め、現地支援に尽力している加藤心雪さんによるレポートを紹介します。支援先の小学生たち。日本の国旗を持ち歓迎してくれました。小学校建設の様子。全てが手作業で行われます。30

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