ikueinews vol76
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 インサイトの抽出前の段階での思考スキルは、仮説形成のための「アブダクション」という推論方法です。これは論理的に考えつつも、最終的には直観を生かし、飛躍的に結論(仮説)を導くというもの。推論という点でリスクを伴うものではありますが、インサイトを得るためには不可欠です。 展望を考える段階では、いくつかの矛盾するものを統一し、より高い段階へ導いて解決する思考スキルを用います。つまり、これまでの常識に、行動観察から発見されたインサイトを組み合わせることで、将来の展望を導きます。 勇気をもって、 リフレームを起こし続けよう 行動観察人材には、前述のようなマインドセットや思考スキル、その他の能力とともに欠かせないのが、心構えです。それは「常識を常識として決めつけず、思考し続ける意識」、「不安定な状況に自らを置くことができる勇気」です。 例えば、「あの人はこういう人である」というように対象を「フレーム」に当てはめると、人は理解したと思い、心理的に楽になりますが、安易な決め付けをして、思考を停止してしまうことは、柔軟な発想やリフレームの発生を妨げてしまいます。 また、自分が生み出した仮説を棄却し、より可能性が高い仮説に修正する勇気も必要です。さらに、心理的に観察対象者と対峙するのではなく、観察対象者側に立つことが求められます。 人々の望みを実現する新たなサービス・商品をあるでしょう。 各段階で求められるそれぞれの「力」は、仕事上の人材育成だけでは十分ではありません。行動観察に必要な力は、人間的成長とともに高めていく必要があります。人生と仕事を切り分けるのではなく、日々の生活上での研鑽と、自分を知ることを継続することで向上すると、私たちは考えています。 マインドセットと 思考のスキルを磨くことで、 行動観察プロセスの質を高める 行動観察力を身に付けるためには、2つの重要な要因があります。最初の要因は「マインドセット」で、その内容は3つあります。自ら未知に飛び込む「チャレンジ精神」、他者が望みを実現することに貢献しようという「他己実現」の意識、そしてつらいことがあっても突き進んでいける「前向きさ」。 次の要因は「思考のスキル」。行動観察プロセスの段階によって、使う思考スキルを選択します。開発するために、私たちは行動観察によってこれまでの常識から逸脱した仮説を出し、それまでの常識と掛け合わせて、リフレームを生み出すことに取り組んでおります。3つのマインドセットや思考スキルを深め、既存の考えにとらわれずリフレームを繰り返し成長し続ける。この意識を持ち続けることが、行動観察をビジネスに応用していくために、私たちが常に大切にしていることです。大学生研究フォーラム 201616

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