ikueinews vol76
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―経験から生まれるイノベーション行動観察のビジネスへの応用事例報告④ 行動観察によって生まれる 「リフレーム」から、 イノベーションを起こす 本日は「行動観察」のビシネスへの応用についてお話をさせていただきます。行動観察とは文字通り、人の行動を観察することです。今回のフォーラムでは自身の経験を俯瞰し、「知」を得て今後に生かしていくという「経験学習」が一貫したテーマとなっていますが、実は、このプロセスは行動観察のものと相似しています。 今やビジネスにおいて、新しいサービスや商品の開発には消費者のニーズを把握することは必須だと言えるでしょう。人が自分で意識しているニーズは、アンケート等で把握することができます。しかし、人が真のニーズを言語化することは大変困難です。なぜなら真のニーズは、無意識の領域にあり、本人も気づいていないことが多いので表現できないのです。したがって、新たなサービスや商品を作り出すには、人の何気ない行動を観察して、深層にあるニーズや願望、すなわち「洞察(インサイト)」を抽出することが求められます。それをサービスや商品に生かし、人に還元するというプロセスは、経験学習との大きな共通点です。 私たちは、それまで常識とされていた解釈やソリューションの枠組み(フレーム)を棄却し、前向きな発想で作り直すことを「リフレーム」と呼んでいます。リフレームされた価値をもとに、新しいサービス・商品を生み出し、人々に役立つイノベーションを創出する。このように、観察による実態の把握を起点としているのです。 行動観察プロセスには、 3つの「力」が必要 行動観察プロセスは次の3段階に分けられます。 1段階目は、事実の収集です。現場に赴き、つぶさに観察して事実を記録します。その際、今まで当たり前と思い見過ごしていた事実や意外な事実など、できるだけ多くの事実に気づくことを目指します。つまり、観察者の「気づき力」が問われます。 2段階目は、洞察の獲得です。前段階で収集した複数の事実が起こる因果関係を推察し、理由(仮説)を出します。従ってここでは、「解釈力」が求められます。また、この段階で1つ目のリフレームがもたらされます。 3段階目は、生み出した仮説をもとに、何を提供するべきかの方向性と具体的提供アクションによる展望を描くことで「創造力」が求められるところです。また、ここで新たなリフレームの発生も松本 加奈子大阪ガス株式会社 大阪ガス行動観察研究所 研究員兼 株式会社オージス総研 行動観察リフレーム本部 主任大学、企業からの報告 「経験で終わるな、メタに上がれ!」大学生研究フォーラム 201615

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