ikueinews vol76
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 「経験学習ノート」の活用は 仕事を理解し、 主体的に取り組むきっかけ ノートの導入によるメリットは、主に3点あります。1点目は、仕事を進める上でのポイントを理解できるようになることです。トレイニーにとって、仕事の結果につながった行動を記憶しておくのは難しいかもしれません。これは、仕事のどういった部分にポイントがあるのか理解できていないのが原因だと思います。しかし、ノートによって時系列で行動の振り返りが可能となるので、仕事のプロセスのポイントを振り返り、理解につなげることができます。 2点目は専門外の能力向上に目を向けるようになることです。代表的なものは対人能力です。技術職のトレイニーに聞いたところ、半数以上が対人関係について得た教訓を今後に生かしたいと考えるようになりました。まだ能力そのものの向上には至ってないかもしれませんが、ノートを用いることで、自分自身の苦手意識を克服するきっかけが生まれます。 3点目はトレイニーの成長の度合いを把握できることです。これはトレイニー、指導者両方にいえます。職場では進捗管理はよく行われていますが、トレイニーの仕事に対する理解度や、成長度合いの管理はどうしても後回しになりがちです。しかし、そのレベルに応じて与える仕事を考えるという指導者は少なくありません。ノートに記載している内容は、トレイニーの成長の度合いを把握する良い指標となるのです。 「メタに上がる」は 企業でもより一層重要になる 経験学習ノートの活用は、経験を振り返り、学びを抽出するという、「メタに上がる」プロセスを言葉にするものです。大変ですが、言葉にすることで、「メタに上がる」ストーリーをトレイニーと指導者間、またトレイニー同士で共有するというものです。そうすることで、トレイニーに仕事の進め方の理解を促すことができ、成長実感を深めてもらうきっかけになり得ます。また、その「メタに上がる」ストーリーは人それぞれ異なるので、それを多くの社員と共有することで、新たな視点での気付きも生まれます。人事の施策の一つとして、そんなストーリーを共有する場を増やしていきたいと考えています。 このような取り組みをしていていつも感じるのは、メタに上がる大切さは、経験が少ないトレイニーにとっては実感しづらいということです。経験のある社員は、経験から学ぶことの大切さを実感しています。これに対しては、メタに上がる重要性を工夫して伝えていくしかないと思います。また、教育の現場でも、学生の皆さんにメタに上がる大切さを伝えるのは難しさがあるかもしれません。しかし会社に入ってからも、メタに上がり、経験から学ぶことは大切です。学生のうちから取り組むことは意味があるはずです。そして、これまでお話したように、人事施策や職場運営において、メタに上がることはますます重要になるだろうと考えています。是非、そんなことを学生の皆さんにもお伝えいただければうれしく思います。大学生研究フォーラム 201614

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