ikueinews vol76
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大学、企業からの報告 「経験で終わるな、メタに上がれ!」発展途上の脳とメタ認知―京都大学教育学部・教育学研究科の 教育活動で大事にしていること事例報告②京都大学教育学系 (国際高等教育院/大学院教育学研究科) 教授 明和 政子みょうわ  京都大学教育学研究科の 「学際先端教育学研究拠点」 としての役割 京都大学の教育学部・教育学研究科は、教員養成を主目的とする教育・研究機関ではありません。「人間とは何か、人間にとっての教育とは何か」。こうした大きな問いを学術的視点で検証し、日本や世界でいま必要とされている教育について最先端の知見を発信する、つまり、「学際先端教育学研究拠点」としてのミッションを担っています。そこで得た基礎的知見を、教育活動の前線で活躍される方々に提供する。そうした高度な専門性をもつ人材育成が、私たち教員の役割です。 私たちが養成したい真の教育エリートとは、次のような人材です。まずは、世界最先端の学術を牽引する力量のある「研究者」。そして、メタ的に状況を認知・検証し、目まぐるしく変化する教育現場の課題を的確に見極め、柔軟に対応する力を持った人材、つまり、「学術と現場を有機的につなぐことのできる専門家」。そして、問題を抱えている現場の方々を、主体的に導くことができる「現場のプロフェッショナル」です。  人材育成への 「エビデンス・ベースト」の教育 私は、科学的根拠なき教育提言は、たいへん危険であると考えています。「エビデンス・ベースト」の教育こそ、現代の複雑な社会問題に対応するには不可欠と考えるからです。 本学部・研究科では、次の3点を重視して学生の教育にあたっています。①「理論」と「実践」の往還、②「対話型」の教育、③「文理融合の視点」です。 まず、①について説明します。自分の身体を介して世界を体験することなくして人間理解は得られない、という考え方から、フィールドワークを重視した教育を行っています。フィールドで起こりうる課題を自ら見出し、教員やTAたちと共有し、そして既存の理論と見比べながら理解し、さらなる問題を探究する。それが、「理論」と「実践」の往大学生研究フォーラム 201611

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