IKUEI NEWS vol72
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産婦人科の正しい知識を伝える「HUMAN+」 医学的にみると、思春期から老年期に至るまで、各年代で知っておいてほしい多くの産婦人科の知識、疾患があります。しかし、それらの知識がなかったために、長い間苦しんだり、病気が進行してから受診されたりする方によく遭遇します。最近はインターネットを通じて容易に各種情報を入手できますが、誤った情報もあり、健康問題に関しては正しい情報を入手することが重要です。特にこれから、妊娠・出産を考える年代の人は、妊娠中の出来事は赤ちゃんにも影響するため、妊娠前からその年代に起こる体の変化、病気、さらに今後の体の変化・遭遇する頻度の高い病気について正しい知識を持っておくことが必要です。これは、女性だけでなく、父親になる男性にとっても大切なことです。  私の所属する日本産科婦人科学会では、各年代の女性の体の変化および代表的疾患について、本人だけでなくそのパートナーにも正しい知識を持ってもらうことを目的に、一昨年「HUMAN+ 女と男のディクショナリー(以下 HUMAN+)」を発刊しました。「HUMAN+」(ヒューマンプラス)は思春期、青年期・キャリア期、妊娠前・妊娠中、そして更年期・老年期に分けて69項目で構成・掲載していますので、今の自分が当てはまる時期の項目をお読みいただき、次いで今後自分が経験する年代の項目を読んでいただきたいと思います。そして、後で知らなかったと後悔しない人生設計を立てるのに役立てて欲しいと思います。 私の大学では、臨床実習にきた5年生の学生全員に読んでもらい、感想を書いてもらっていますが、高校生の頃からこの本に出逢いたかったとの意見を多く頂いています。妊娠、出産年代の代表的疾患について ここで、「HUMAN+」から、妊娠、出産年代の体の変化、代表的な病気について具体的に見てみましょう①月経困難症:多くの女性が悩み、生活に支障を来していますが、よい薬ができているため、産婦人科医に相談すると楽になります。②子宮筋腫:女性の5人に1人の割合で見つかります。筋腫の部位、大きさにより妊娠しにくくなりますし、妊娠しても多くの合併症が起こります。③子宮内膜症:次第に進行する月経痛、性交痛などで発見されますが、不妊症の原因になります。④性感染症:最も多いクラミジア感染症は不妊症の原因になります。子宮頸癌はヒトパピローマウイルス感染が原因であり、性交で感染します。⑤卵子の数・老化:胎児期には700万個あった卵子は、出生時には200万、20歳で20〜30万になり、その後も減少していきます。また、高齢妊娠では不妊率が上昇し、染色体異常児の頻度も高くなります。これらのことも念頭に入れて、医学的な知識を学び、結婚後のライフプランに役立てよう寄稿●5平松 祐司岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 産科・婦人科学 教授女性の体の変化、代表的疾患を知って、パートナーと後悔のない人生設計をしよう女性本人だけでなく、パートナーの男性にも女性の身体に関する知識が必要です。そして、女性はいつでも相談できる「マイ産婦人科医」を作っておきましょう。明日への視点現代若者の恋愛・結婚事情自分を育てる学生生活の過ごし方1721

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