IKUEI NEWS vol72
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高度経済成長期までの結婚 大学生で結婚について具体的に考えている人はあまりいないと思いますが、強いて将来の結婚を想像するならば、それは「恋愛結婚」であり、「見合い結婚」をしようと考えている人は滅多にいないのではないでしょうか。実際、2010年に国立社会保障人口問題研究所が実施した出生動向基本調査によると、「見合い結婚」の割合は全体の5・2%に過ぎません。若者には、特に敬遠される傾向が強いようです。 今では非常に少なくなった「見合い結婚」ですが、高度経済成長期頃までは、女性なら20歳を過ぎれば、たとえ大学生でも「見合い」を勧められることがよくあったのです。 左上のグラフは1972年〜2010年までの初婚年齢の変化を男女別に示したものです。年を追うごとに山がなだらかになり、ピークが20代後半にシフトしていきます。男女共に晩婚化が進行したのです。特に女性のグラフの形の顕著な変化に注目してください。1970年では22〜23歳がピークで、24歳からは急激に下降しています。なんと女性の8割は25歳までに結婚していたのです。 このように極端に結婚年齢が集中した理由は、当時の社会では「結婚適齢期」意識が非常に強かったからです。女性は概ね25歳までに、男性は概ね30歳までには結婚するべきとされていたのです。この時代には、本人にその気がなくとも、親や親戚、近所の人、会社の上司などから結婚話が持ち込まれ、「見合い」を勧められ、結婚する人が多かったのです。「見合い結婚」の始まり 「見合い」は明治期に上流階級から始まりました。当時、子どもの結婚は仲人を介して親が決めるのが通例でしたが、西洋の文化の影響を受けて、結婚する当事者が一度も会わずに結婚させられるのは、あまりに不合理であると考えられるようになり、本人の意思を確認する「見合い」が設定されるようになったと言われます。その後、「見合い」は一般にも広がって行ったのです。 昭和になっても日本の結婚の主流は「見合い」でした。戦後は民主化が進み、当時の言葉で言えば見合い結婚の変化から見た日本人の結婚の変化寄稿●4小澤 千穂子大妻女子大学 家政学部 ライフデザイン学科 教授晩婚化の真の原因は見合い結婚の減少ではなく、結婚の「総恋愛結婚化」である現代の見合い結婚は、「男女の出会いの場」になっています。「見合い」も「恋愛」も、互いの「結婚条件」をクリアしなければ成婚には至りません。明日への視点現代若者の恋愛・結婚事情自分を育てる学生生活の過ごし方17初婚年齢の推移:初婚者の年齢別割合(上段:男性、下段:女性)厚生統計協会『人口動態統計』より0%2.0%4.0%6.0%8.0%10.0%12.0%14.0%16.0%18.0%20.0%0%2.0%4.0%6.0%8.0%10.0%12.0%14.0%1970年(昭和45年)20歳21歳22歳23歳24歳25歳26歳27歳28歳29歳30歳31歳32歳33歳34歳35歳36歳37歳38歳39歳40歳20歳21歳22歳23歳24歳25歳26歳27歳28歳29歳30歳31歳32歳33歳34歳35歳36歳37歳38歳39歳40歳1980年(昭和55年)1995年(平成7年)2010年(平成22年)19

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