IKUEI NEWS vol72
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会話していることが研究で分かっています。つまり、会話中もずっと情報収集していると言えるでしょう。さらに、女性同士の会話は結論を出すのではなく、会話そのものを楽しんでいるということになります。脳内ホルモンが行動を決める 脳の中には神経細胞どうしの連絡に使われる物質、神経伝達物質があります。これにはドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなど数多くの物質があって、それぞれ脳の特定の場所で作用しています。 男女の脳の違いに最も関係してくる神経伝達物質は、女性ホルモンであるエストロゲン、男性では男性ホルモンであるテストステロンです。 テストステロンは攻撃的、独占的、相手を論破して優位に立ちたいという願望を作り出します。だから、男性同士の会話は結論を出すのが目的になってくるのです。 女性は白黒を付けるのではなく、和を重んじて共感することに快感を覚えます。だから女性が心配ごとを男性に打ち明けても、男性が共感を示さず断定的なことを言うと、女性が怒ってしまうことが多いのです。そこで必要だったのは、男性からの「大変だね」という共感だったのです。 女性が記念日にこだわる理由 女性は誕生日、結婚記念日、バレンタインなど記念日を非常に大切にします。男性は自分が興味のないことや利害関係のないことには非常に無頓着です。これもテストステロンが影響していますが、女性の場合、記憶と感情に関係する扁桃体という場所との結びつきが強く、男性が思っている以上に記念日とその楽しかったことが結びつき、記憶が非常にはっきりしているのです。とくに忘れてしまいがちなのがホワイトデーのような、男にとってはそれほどの意味がないと思っているような記念日を、まったく無視してしまうと女性は思いやりがないというように怒ってしまいます。 記念日に疎い男性はやはり意識的に記念日を気にして、手帳に書いておくなどの努力が必要です。男女の脳は違うからこそすばらしい 男女の脳の機能の違いは、人間が生き残っていくための仕組みとも言えます。お互いに補完しあうことが生物学的に考えれば生存率を上げてきたわけです。つまり男女の脳の違いがあるからすばらしいのです。 男女の仲をうまくやっていくには、思いやりが大切という言い方をしますが、男女の脳では使い方や機能に差があることを理解して、男性であれば、記念日に気を遣い、相手の言葉に共感するように努力すべきでしょう。また女性は男性の追求的な脳を理解し、何かに熱中する男性を認めてあげる必要があります。 男女の間では相手を理解しようと努力します。しかし脳の機能が違うので、男性脳で女性脳を、女性脳で男性脳を理解することには限界があるのです。相手のことを理解しようと努力するのではなく、お互いにその脳の違いのすばらしさを認め合うことが大切なのです。米山 公啓(よねやま きみひろ)1952年山梨県生まれ。作家・医学博士。専門は神経内科。1998年に聖マリアンナ医科大学内科助教授を退職。現在は週4日、東京都あきる野市にある米山医院で診療を続けるかたわら、実用書や医学ミステリーなどの執筆から、講演、テレビ・ラジオ出演など、幅広い活動を行っている。著作は280冊を超える。主な著作には『もの忘れを90%防ぐ法』(三笠書房)『脳が若返る30の方法』(中経出版)『健康という病』(集英社新書)など。趣味は客船で世界中の海をクルーズすること。14

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