ikuei news_vol74
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「VHome」のプレイ画面と体験者の様子。伴侶動物の象徴であるぬいぐるみに埋もれる土井さん。 人間や生き物達を取り巻く環境は、私たち個人の些細な言動や行動で大きく変化していきます。一番分かりやすい例が人と伴侶動物との関わりだと思い、多頭飼育崩壊という現象にフォーカスをあて制作しました。これは、「もし、このぬいぐるみ達が本物の生き物だとしたら」と作品を通して考えてもらうインスタレーションです。 制作では、興味を持ってもらうために世界観を詰めていく作業をし、理解しやすくするためにギャップのある作品づくりを心がけました。真っ白で清潔感のある空間に可愛らしいぬいぐるみが山のようにいる、という一目で可愛いと思うものを作り、コンセプトを読んでから多頭飼育崩壊の現場に重ねて想像してもらう。人それぞれ感じ方は違うけれど、伴侶動物に対する行動を少しでも誤ると手に負えなくなる場合がある、「可愛い」だけではいけない、というメッセージを込めた作品です。 私たちはさまざまな変化に上手く気づけていないように感じます。多頭飼育崩壊は伴侶動物との関わりの一例で、それ以外にも山ほどあります。私はこの作品の結果を生かし、今後もさまざまな変化を表現し、人やモノ、コトを繋ぐことができる作品を制作していきたいと思っています。東京芸術大学 美術学部 土井 捺稀多頭飼育崩壊 私は「VR(バーチャルリアリティー)コンテンツにおける身体動作と操作性に関する研究」というテーマで、VRコンテンツでの移動操作方法について新しい手法を提案するため、2つのVRコンテンツを制作しました。 1つは「VDome」というシューティングゲームで、鑑賞者を基準とした位置移動の向き、大きさをVR空間での移動の向き、大きさに変換して操作を行うもの。もう1つは、「VHome」という探索ゲームで、足踏み動作によってVR空間で一歩踏み出すといった操作を行うものです。 VRコンテンツを快適に楽しむためには、操作という点で些細な違和感が大きな障害となる場合があります。そういった違和感を軽減するため、移動速度や身体動作の感度の微妙な調整を繰り返し行いました。この過程が一番苦労した点であり、こだわった点です。調整には、研究室の先輩や大学の友人に何度も協力していただきました。 最終的に、提案手法に関して、臨場感や面白さなどで従来手法より優れているという結果になり、新たな可能性を示せたのではないかと考えています。九州大学 芸術工学部 友池 健太VRコンテンツにおける身体動作と操作性に関する研究展示の全体写真。「VDome」のプレイ画面と体験者の様子。38

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