ikuei news_vol74
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ていると報告している。 このリストにもう一つ付け加えたいというのはアリゾナ大学のリン・ズワーガートラ。「若い時にフィットネスを心がける人は、フィットネスが生涯のライフスタイルになるようです。それも大きなメリットでしょう」。 こういった社会人となった時に必要になる知識が身につくというメリットもさることながら、レック・センターに行くのは「もっと直接的なニーズがあるため」と言うのは、オハイオ州立大学で国際スポーツ学を専攻するコービン・ヒル。「例えば、汗をかいた後感じる爽快な気分なども、僕がエクササイズする理由」と言う。アリゾナ大学でマーケティングを勉強しているイザベル・メイヤーは、「ウエイトリフティングが好きで、週数回ジムで1時間ほどバスケットボールをします。その後は爽快な気分になり、たまっていたストレスもどこかに吹っ飛び、ウェルビーイング(幸福)な気持ちになります」と言う。アリゾナ大学でスポーツ・マネジメントを勉強しているマンディ・マックブルームは、「乗馬が大好き。乗馬で自分のぎりぎりの力を出す。終わった後は、体の中の全ての毒が吐き出されたような気分になる。私にとって週数回は必要なエクササイズです」と言う。 3人の学生が語ったエクササイズが与える直接的なベネフィットは、NIRSAの調査にも表れている。「大学のレクリエーション施設を使うことの利点は何か?」という質問に対し、回答者は以下のように答えている。 「私はこういった気持ちを感じるために、ジムに行く時間をクラスの時間と同じように毎日のスケジュールに組み入れています。それほど、ジムでのエクササイズは私の重要な日課になっている」と、アリゾナ大学のイザベル・メイヤー。「大学のアカデミックな勉学から離れて、チームスポーツやスポーツクラブなどで過ごす時間を持つことで、かえって勉強により集中できるという学生は多い」と、コロラド大学のスカイラー・ロラボーフは言う。レック・センターのROI こういった〝ステート・オブ・アート〞(完璧)に近いレック・センターを持つには巨額の運営費と労働力がかかることは想像に難くない。ちなみに、アリゾナ大学のレック・センターの運営費は年間190万ドル。加えて「スポーツやエクササイズの専門職員が33人、学生アルバイトが350〜400人、常に働いています」とリン・ズワーガートラは言う。また、コロラド大学のレック・センターの年間予算は400万ドル。終始200〜300人の職員や学生アルバイトが働いている。 こういった膨大な投資と努力のROI(※)は何か? 一つは、新入学生の確保である。「レック・センターが学生の大学を選ぶ時の選択肢の一つになっている」と、アリゾナ大学のリン・ズワーガートラは言う。オハイオ州立大学のマーシー・シューメーカーは「入学候補生が両親と一緒に大学視察に来る時には、必ずレック・センターを見せます。今やレック・センターは、大学の施設の中で非常に重要な位置を占めるようになっています」と言う。ちなみに、「高校時代からエクササイズ、フィットネスに強い関心を持っていたので、アリゾナ大学を見学に来た時、レック・センターをみて非常に感銘を受け、ただちにここに入学することを決めました」と、イザベル・メイヤーは言う。「サッカーフィールドの施設を見てその完璧さにびっくり。他にも色々興味のある大学はありましたが、この大学のレック・センターに匹敵するものはなかった。アカデミックな面ではどこも同じように優秀な大学でしたが、ここに決めたのはレック・センターのためです」と言うのはアリゾナ大学で人間発達学を勉強しているベニス・アネリサ・アレオラ。NIRSAの調査も、68%の学生が大学の選択をレック・センターの優劣によって決めていると報告している。 もう一つのROIは、卒業生たちの就職率だ。企業が卒業生を探す時、最初に聞くのが、スポーツをしていたか、レック・センターを利用しているかという点だという。「企業は、学生の成績より、学生が実社会に適合できるスキルを持っているかどうかを見ている。同僚との人間関係がうまくいくか、グループで働くことができるか、タイム・マネジメントはできるか、忍耐力、サスティナビリティがあるか。そんなことが重要になるのです」と、ニールセン調査会社の人事部で働いているマット・オリベラは言う。彼自身、ペンシルバニア州立大学のレック・センターの常連だったそうだ。「その時は気づかなかったが、卒業してみてレック・センターで身につけた色々なスキルが大いに役立った」と言う。 「健全な精神は健全な身体に宿る」という古いことわざが、米国大学のレック・センター・ブームの中で生きているようである。アリゾナ大学で人間発達学を勉強するベニス・アネリサ・アレオラは、サッカーが大好き。「人間発達学にはスポーツが絶対に必要」と、教室で学んだ知識を披露する。※Return On Investment:投資対効果。投資に見合った利益を生んでいるかどうかを判断するための指標。①タイム・マネジメント力:75%③学業の成績向上:68%⑤マルチ・タスクのノウハウ:66%⑦グループで動くスキル:60%⑨異人種への理解を深める:57%②他人を尊敬する気持ち:71%④社会に属している感覚:68%⑥友情を育むスキル:66%⑧コミュニケーション・スキル:59%⑩問題解決のスキル:55%①気分が良くなる:91%③フィットネスの楽しさ:90%⑤ストレス解消になる:86%⑦体重管理ができる:85%⑨身体バランスの向上:80%②健康になった感じがする:91%④肉体が強くなった気持ち:89%⑥スポーツが上達した感じ:85%⑧自信がつく:83%⑩集中力がつく:75%アリゾナ大学でスポーツ・マネジメントを勉強するマンディ・マックブルーム。乗馬、ハイキング、トレイル・ウォーキングなど、「屋外で時間を過ごすと気分が晴れやかになり、勉強にも集中できる」と言う。アリゾナ大学の4年生イザベル・メイヤーは、そのすんなりした体格にも関わらず、ウエイトリフティングが大好き。「かなりの重量を持ち上げられます」と言う。オハイオ州立大学で国際スポーツ学を勉強しているコービン・ヒル。大学を卒業したらスポーツジムのインストラクターになりたいと言う。27

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