ikuei news_vol74
17/44

疾患を引き起こしたり、悪化させたりします。そうして運動器疾患と運動器の痛み・機能障害が連鎖や複合して移動機能を低下させるのです。移動機能の低下がさらに進むと、生活活動や社会活動を制限して悪化すれば介護が必要となります。なぜ今ロコモが必要か? 平成25年の国民生活調査によると、介護(要支援・要介護)が必要となる原因の第一位は運動器疾患で25%、次いで脳血管疾患(脳卒中)が19%、その後に認知症の16%、高齢による衰弱の13%と続きます。介護が必要となるという健康が著しく損なわれた原因の4分の1が運動器疾患ですから、高齢になっても健康を維持するには、運動器の健康を保つことが必須なのです。ロコモはそれに気づき、対処するためにあります。ロコモ予防のために今やっておくべきこと 学生のあなたが今、ロコモの要因となる病気にかかっていることは少ないはずです。しかし、骨が弱くなる疾患である骨粗鬆症にならないためには今の生活がとても大切なのです。骨は20歳代をピークとしてその強度が加齢とともに減っていきます。それが進行して少しのことで骨折する水準になってしまったものが骨粗鬆症です。20歳代のピークが高ければ、容易にその水準には達しません。骨の強度のピークを高くするには、学生時代のスポーツが有効であることが分かってきました。 また筋肉の量が減ってその力が減ってしまったものがサルコペニアです。筋肉も加齢とともに減少しますが、それを防ぐには今のところ定期的な運動しかありません。中高年になって運動をするには何が必要でしょうか? 急に慣れないスポーツを始めると怪我のもとになり、運動どころではありません。ですから、学生時代にはそんなにうまくなくても一生続けられるスポーツを最低1つ体験しておくことが重要です。若いあなたなら新しい身体の使い方に比較的容易に順応できますが、中年以降では四苦八苦です。高齢になると一つの動きを覚えるのさえ至難の業です。若いということの素晴らしさは新しいことがすぐできることで、そのことはそれを無くしてから初めて分かるものです。大江 隆史 (おおえ たかし)1985年東大医学部卒業、同年整形外科入局。医局の関連病院での研修を経て、2004年、東大病院助手。東大整形外科医局長、名戸ヶ谷病院整形外科部長を経て、2015年より現職。専門は整形外科、なかでも手外科。日本整形外科学会・日本手外科学会専門医。ロコモの誕生時よりその研究と広報に従事。2010年のロコモ チャレンジ!推進協議会発足時より副委員長。2014年第2代委員長。ロコモの構成概念骨骨粗鬆症骨脆弱性骨折疼痛関節可動域制限柔軟性低下姿勢変化筋力低下バランス能力低下移動性機能低下生活活動制限社会活動制限要介護変形性関節症変形性脊椎症神経障害サルコペニア脊柱管狭窄症関節軟骨椎間板筋肉神経系14

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 17

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です