ikuei news_vol74
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「ロコモティブシンドローム」を知っていますか? ロコモティブシンドローム(ロコモ)は超高齢社会に対応すべく、日本が生んだ言葉と概念です。あなたがこの言葉を知っていないからと言って、それは特別なことではありません。私たちの認知度調査では20歳代の認知度はまだ20%くらいです。 ロコモとは、主に加齢に伴う運動器の障害のため、移動機能の低下をきたした状態であり、進行すれば要介護状態を招くものを差します。2007年、日本整形外科学会が提唱し、2013年からは政府の指針である「健康日本21(第二次)」の中でその認知度向上を目標とすることが定められました。ロコモーションは移動能力、ロコモティブは移動能力を有するという英語ですが、認知症が認知機能の低下を意味するように、ロコモティブシンドロームという新語は移動機能の低下を意味します。ロコモティブシンドロームは人々に覚えて使ってもらえるための言葉なので、「低下」などの否定的な表現を避け、略してロコモと呼べるようにしてあります。 あなたの年齢の人達にとって、高齢化とか加齢とか機能の低下など、きっと他人ごとでしょう。無理もありません。あなたは若く、成長の途中だし、部活に入れば運動のパフォーマンスだってこれから向上するからです。ですからここでは、あなたの身内に自立し続けてもらうために知っておいて欲しいこと、あなたが30年後の将来のために大学時代にやっておくと良いこと、を述べたいと思います。若者と高齢者の運動器障害の違いは? 運動器では身体活動に関する骨、筋肉、関節、神経などの組織、器官が協同して働いていてどの一つが不具合となってもうまく働きません。あなたが部活でたとえ骨折したとしても、骨折を治せばまたスポーツに復帰できます。つまり青壮年の運動器障害は一つの部位に生じることが多く、具合の悪くなった部位を治せば運動器はまたうまく働きます。ところが高齢者ではそうはいきません。加齢は運動器のすべてに訪れるので、高齢者が大腿骨を骨折すると、その手術はしたけれど、膝の軟骨が悪くなっているため歩けないなど複数の障害が複合して移動機能を低下させます。また背骨の中での神経障害のために歩行が不安定になり転倒骨折し、骨折は治癒したが歩けないなど、障害が疼痛、筋力やバランス力の低下などを通して連鎖します。これが高齢者の運動器障害の特徴です。したがって高齢者の運動器障害を考える際には、総合的な移動機能に着目することが必要となるのです。それを考えるための概念、言葉がロコモです。左ページの図はロコモの概念をまとめたものです。一番左にロコモの原因となる運動器疾患があります。これらはその右にある運動器の痛みと機能障害を引き起こします。これらがまた右の運動器ロコモティブシンドロームと大学時代の過ごし方寄稿●3大江 隆史NTT東日本関東病院 手術部長生活習慣病はメタボからロコモへロコモを予防し健康寿命を延ばそう学生時代の運動が将来の運動器(骨、関節、筋肉など)疾患予防に役立つ。一生続けられる運動習慣の確立が自立した人生に繋がる。明日への視点大学時代から運動を習慣づける自分を育てる学生生活の過ごし方16とうつう13

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