ikuei news_vol74
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け続けることが可能となり、これが筋肉の発達に対して大変効果的な刺激となります。筋肉をスポーツに生かすには? 読者の中には、運動部に所属してスポーツを行っている人もいると思います。「筋トレをやったのに、プレーがなかなか良くならない」という経験はありませんか? この原因の一つとして、スポーツで使う筋肉は個々に鍛えられているものの、各筋肉の使い方(使う順序やタイミング、力の調整など)の改善が伴っていないことが挙げられます。筋トレをスポーツのプレーに活かすには、スポーツの動きと関連した動作によるトレーニングも取り入れると効果的です。このようなトレーニングは、機能的トレーニング(ファンクショナルトレーニング)とも呼ばれています。スポーツ以外でも、日常生活の中で見られる「長時間の歩行」、「階段の昇り降り」、「荷物の持ち運び」などの動作を疲れにくくする効果も期待できます。社会に貢献する筋トレ 日本は超高齢社会に突入し、今後ますます介護を必要とする高齢者が増えてくることが予想されます。これに伴い、介護する家族の負担が大きくなることも心配されます。 私たちの筋肉は、積極的に運動を行わなければ、年齢とともに着実におとろえてしまいます。太ももの筋肉の断面積は、80歳で30歳代のおよそ半分にまで減ってしまうことが知られています。このような筋肉量の減少は、私たちの活動能力を低下させ、介護を必要とする原因にもなっているのです。 歳をとっても筋トレによって筋肉量を維持することができれば、要介護・要支援状態になる人口を大きく減らすことができると考えられます。そして、万一家族が要介護状態になり、介護をする立場になった場合にも、筋トレで筋力を高めておくと、重労働である介護作業の負担を軽減することができます。大げさに聞こえるかもしれませんが、筋トレは、日本が抱える社会問題の解決にも大きく貢献できるといえるのです。できますか? 片足での立ち上がり ところで、皆さんは、椅子に座って両手を腰に当て、片足を上げた状態で、床につけた反対側の足だけで椅子からゆっくりと立ち上がることができますか?できなかった人は、将来に備え、今から筋トレで脚筋力を鍛えることをおすすめします。 大学生にこのような各種筋力チェックを行うと、その結果が50歳代の平均値に到達していない人が少なくありません。実年齢は20歳なのに、体力年齢は50歳以上ということです。将来に不安を感じてしまいますね。 筋肉は、かけがえのない「一生の財産」です。大学時代までに、筋肉(財産)をしっかりと蓄え、社会人になっても筋トレを生活の一部として実践し、筋肉(財産)を減らすことなく、じっくり増やしていきましょう。そうすれば、一生涯にわたって、自分の足でどこにでも行ける、活動的で幸せな人生を歩むことができることでしょう。有賀 誠司(あるが せいじ)1962年、東京都生まれ。東海大学大学院修士課程体育学研究科修了。修士(体育学)。専門は筋力トレーニング。大学では、学内の体育会所属クラブ(15団体・約1,000名)のアスリートに対するトレーニング指導や学生スタッフの育成を行っている。これまでに、柔道、バレーボールなどの日本代表チーム及び選手のトレーニング指導を歴任。子どもから高齢者まで、幅広い世代を対象とした健康体力増進のためのトレーニングのアドバイスも多く手掛ける。自らもボディビル選手としてアジア選手権準優勝の実績を持つ。12

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