ikuei news_vol74
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にとって「健康」ということが当たり前で、ついつい自分の体を粗末に扱いがちです。しかし、この若年成人期の過ごし方が、その後の健康や見た目に大きく関わっていくことになります。例えば、骨や筋肉は20代から30代で完成します。その後に成長することは難しく、徐々に衰えていきます。20代に食習慣、運動習慣が適切でなく、十分に体づくりができなかった人はそこから衰えていきますので、同年代の人よりも早く老いていくことになります。ですので、20代は一生の体を作る大切な時期でもあるのです。貯筋をする では具体的にはどのような習慣が必要なのでしょうか? まず運動習慣について言いますと、大学時代は「なるべく多く動く」「筋肉を作る」ということを考えましょう。テクノロジーの発達に伴い、便利になりすぎて、家事も仕事も、買い物さえ座っているままでできる世の中になってきました。しかし、動かない生活によるデメリットもあります。例えば20代以降で人間は毎年約0・5%ずつ筋量が減少することが分かっています。運動しない生活では、例えばベッド上で安静にしていると1日約1〜5%程度の筋肉が落ちることも分かっています。イスに座りっぱなし、あるいは横になることの多い運動不足の生活を送っていると、20代でも60代の筋肉量になってしまうこともあるのです。20代は成長ホルモンも分泌されており筋肉が作りやすいので、なるべく多く動く「貯筋」習慣をつけてください。栄養バランスに気を配る 人の体は口から食べたものでできています。一人暮らしや外食では自分の好きな物やすぐに手に入る物ばかり食べて、炭水化物や脂質に栄養が偏りがちです。体のほとんどはたんぱく質でできていますので、しっかりたんぱく質を摂りましょう。日本人の食事摂取基準は毎日体重1キロあたり1グラム程度のたんぱく質が必要です。60キロの人であれば60グラムですので20グラムを3回にわけて摂取するのが理想です。20グラムのたんぱく質は牛サーロイン肉や鶏胸肉だと90グラム程度になります。また人間の体はもともと弱酸性ですが、お肉ばかりを食べていると体は酸性に傾き細胞が劣化してしまいます。野菜やフルーツなどアルカリ性の食品も摂って中和させることが大切です。良い食習慣の効果はその日にはあまり感じられませんが、数日後、数週間後に体の変化として現れてきます。何事も継続することが大切です。最後に 「健全な精神は健全な身体に宿る」とは古代ローマの詩人ユウェナリスの言葉ですが、この真意は必ずしも身体が健康でなくては心が健康になりえないということではなく、富や地位、名誉などを願う前に、神に何か一つ願うとしたらそれはまず健康である、ということだそうです。古代からその大切さが謳われていたように、失って初めて分かるのが健康の大切さです。これから輝く未来のある大学生の皆さんには、是非自分を大切に、美しい人生を歩んでいただきたいと願っています。中村 格子(なかむら かくこ)1966年生まれ。日本代表チームドクターとして、各種チームのアスリートを支える傍ら、「健康であることは美しい」をモットーに、2014年東京代官山にクリニックスタジオをオープン。臨床整形外科医としてのキャリアと多くのトップアスリートの健康管理・指導経験から、特別な道具やテクニックを要せず、体力に自信がない人、運動が苦手な人でも安心して取り組めるエクササイズを提案。テレビ・雑誌などのメディアでも活躍中。著書に『10歳若返る! 姿勢バイブル』(小学館刊)など多数あり、中でも、『大人のラジオ体操』(講談社刊)はシリーズ累計80万部を超えるベストセラーを誇る。10

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