IKUEI NEWS vol.73
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70万タイトルに増加しました(図3)。その内訳は、海外出版社によるものが約97%を占め、国内出版社によるものは約3%です。大学図書館で導入している国内出版社の電子書籍のタイトル数が少ない理由は、国内出版社が提供する電子書籍コンテンツ自体が海外のものに比べて少ないためです。こうした状況を受け、編集部インタビューでご登場いただいた立命館大学の湯浅俊彦教授は、複数の大学図書館と協力し、国内出版社への書籍の電子化を要請しています(7〜8ページ参照)。 平成22年の12月に行われた、文部科学省の科学技術・学術審議会の「大学図書館の整備について」というまとめの中で、大学図書館は「大学の教育研究にとって不可欠な中核を成す総合的な機能を担う機関の一つ」と位置づけられました。先述のアクティブラーニング・スペースの充実と電子書籍の増加は、教育・研究の場としての役割を強めるため、学生の学びの場としての機能と、より幅広い資料を取り扱うアーカイブとしての機能を強化したものだと考えられます。 今号の寄稿でご登場いただいた同志社大学の井上真琴学習支援・教育開発センター事務長は、図書館のレファレンス・サービスを、「ヒト・モノ・カネをつぎこみながら、利用者に認知されていない〝MOTTAINAI〞サービス」と表現しています(11〜12ページ参照)。これはレファレンス・サービスに限ったことではなく、今回の取材を通じても大学図書館には十分に活用されていない施設やサービスがたくさんありました。 最近の大学図書館はパソコンなどの情報機器を活用した学習の場として、あるいは自習の場として多くの学生に利用されています。しかし、実際には「それ以上の多くのポテンシャルを持っていることに注目して欲しい」というのが、図書館担当者の偽らざる気持ちであることを感じました。 寄稿でご登場いただいた大串夏身先生は、書架の間を歩き、ふと目についた本を手に取るところから、その周辺の本へと興味が広がっていく「興味の連鎖」が起こり、大学生が培うべき知識の根幹が養われていくと述べています(9〜10ページ参照)。 また、同じく寄稿でご登場いただいた国際基督教大学の畠山珠美図書館長には、早期にアクティブラーニング・スペースを導入し、電子資料の活用にも力を入れてきた同図書館が、どのような理念のもとで図書館運営を行なっているかご執筆いただきました(13〜14ページ参照)。事例取材も含め、大学図書館に関わる人々がどのような考えで運営に携わっているかを知ることは、大学図書館自体についての理解を深めることにも繋がります。 そして、事例取材では、ユニークな取り組みで教育や研究の可能性を広げている6つの大学図書館を訪ね、そこに携わる教職員の方々にお話を伺いました(15〜20ページ参照)。「変化する大学図書館」に携わる方々の生の声が、必ずや皆さんの大学図書館への興味を喚起するはずです。 今回の特集が、学生の皆さんが変化しつつある大学図書館をもっと活用できるようになるきっかけになり、多様な知を基盤にした、より深い学びへと踏み出せることを願っています。まだ見ぬ図書館の可能性を発見しよう〈図3〉 電子書籍の保有タイトル数出典:文部科学省「学術情報基盤実態調査」より編集部作成2010年度2011年度2012年度2013年度0100200300400和書500洋書7.0121.78.8288.415.9376.315.4457.3(万タイトル)もったいない4

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