IKUEI NEWS vol.73
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学生の学内奉仕対象者総数(※1)です。文部科学省の統計によれば、全国の大学生の総数は2011年の289万人をピークに減少しています。それと同様に、この学生の学内奉仕対象者総数も、2010年の689万人から、2014年には599万人まで減少しています。これらのことから、学生一人あたりの貸出冊数は、2010年度から2014年度の5年間を見てみると、ゆるやかな増加傾向にあることが分かります(図1)。 2014年、全国大学生活協同組合連合会が実施している「第49回学生生活実態調査」(2014年発表)で、大学生の4割は「1日の読書時間が0分」という結果になり、マスコミでも話題になりました。この状況は翌年の調査でも変わらなかったものの、大学生全体の平均読書時間は2014年の26・9分から2015年には31・7分に増加し、やや回復の兆しを見せています。 以上のことから、本を借りたら必ず読むとは言い切れないにせよ、少なくとも、大学生が読書から明らかに遠ざかっているとまでは言えないことが分かります。 大学図書館に関する2つ目の調査は、文部科学省の「学術情報基盤実態調査」です。これは、2005年から始まった、図書館と大学におけるコンピュータ・ネットワーク環境の現状を、大学ごとに明らかにする目的で実施される調査です。 この調査から大学図書館の2つの傾向が明らかになりました。 1つ目の傾向が、ラーニング・コモンズとも呼ばれる「アクティブラーニング・スペース」の充実です。「複数の学生が集まり、様々な情報資源を活用しつつ議論を進めていく学習スタイルを可能にするスペース」であるアクティブラーニング・スペースの設置大学数は、2010年度の110大学から2014年度には338大学まで増加しており、43%を超える大学に設置されています(図2)。背景には、文部科学省の中央教育審議会答申(平成24年8月)(※2)等で、学生の主体的な学びを促すアクティブラーニングが推進されたことがあります。 2つ目の傾向が電子書籍の増加です。全国779校の大学図書館が保有している電子書籍のタイトル数(延べ数)は、2010年度の約129万タイトルから2013年度には約4大学教育の中核へと変革しつつある大学図書館〈図1〉 学生一人あたりの年間貸出冊数(大学図書館全体の平均)3.43.63.84.04.2〈図2〉 アクティブラーニング・スペース設置大学数の推移050100150200250300350400出典:日本図書館協会「日本の図書館統計」より編集部作成学生の館外個人貸出冊数÷学生の学内奉仕対象者総数出典:文部科学省「学術情報基盤実態調査」より編集部作成2010年度3.533.734.084.124.102011年度2012年度2013年度2014年度2010年度2011年度2012年度2013年度2014年度14.4%17.8%23.3%31.5%43.4%(冊)(校)※1 図書館利用の有無にかかわらず、その図書館を利用することができる学生数を、単純に足し合わせた数字。調査の性質上、複数の図書館を持つ大学では学生を重複してカウントするため、この数字は全国の大学生総数より多くなる。※2 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」と題する答申(通称:質的転換答申)。受動的な従来型の講義から、能動的学修(アクティブラーニング)への転換が求められた。3

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