IKUEI NEWS vol.73
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さまざまな国で生産されるハチミツの販売を通じて、広い世界観を伝えたい本誌2012年7月号の特集「学生ベンチャーの可能性」で、2年目の起業家としてご登場いただいた米川さん。その後、京都女性起業家賞 特別賞を受賞し、事業を拡大しながら公益財団法人の研究員に就任するなど、忙しくも充実した日々を過ごしています。ハニールネッサンス(大学院奨学生第4期生)米川 安寿さん学生時代の学びを生かしてハチミツの輸入販売会社を起業 米川安寿さんは、2011年同志社大学大学院修士課程を修了後、途上国からハチミツを輸入・販売する会社「ラペン」を起業しました。2014年に事業拡大のため、「ハニールネッサンス」と名前を変えて株式会社化。現在は同大学院博士課程に通い、(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構の研究員を務めながら、ハチミツの輸入・販売業を続けています。 ネパール人の父親を持ち、幼い頃に海外のさまざまな国に居住して世界の広さを知った米川さん。大学時代は開発経済学を専門に学びながら、本や旅行で世界の事情を知ることに熱心になり、遊ぶ暇もない多忙な学生だったそうです。「学生時代に学んだことがいまの行動指針になっている」と米川さん。 「資本主義の目線で世界中の生産性を上げることに躍起になる開発経済学を学ぶにつれ、この基準で考えていては環境がもたないと感じました。大学院に入り、漠然と社会にとって本当に良い経済活動をしたいと考えていた時に、修士課程の同じコースで学ぶ仲間が当たり前のように起業していたことが、自分から動き出すという視点を与えてくれました」。自然に翻弄されながらも、環境を守りハチミツを採る ハニールネッサンスで扱うハチミツの最大の特徴は、まだ市場で取り扱いの少ない途上国から輸入していること。ハチミツに注目したのは、ハチミツの生産を応援することが環境保全の促進に繋がると考えたからです。 「ハチミツがきちんと採れるということは、土に養分があり花が咲いているということ。花や緑が元気であるということは、自然環境が良いことを示しています。『養蜂家とは、ハチミツを採るために、樹木や草花を植えて自然を守る職業でもある』という考えを広めることができれば、養蜂家の手で自然を守ることができます。現に2015年のネパール大地震の後も、村の人々は『樹はちゃんと植えないとね』と4000本の苗を森に植えていました」。 輸入したハチミツは、オンラインショップや街中の限られたパン屋さん、青果店、あんじゅハニールネッサンスで販売されているハチミツ。瓶詰めから包装まで米川さんが一人で行なっています。29

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