IKUEI NEWS vol.73
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-----地域貢献に力を注ぐ香川大学の活動をご紹介ください。 県内5か所のサテライトオフィスは、香川大学の地域貢献の最前線です。本学の情報発信の場であると同時に、地域の方々の生涯学習の場としてもご利用いただいています。教員や学生にとっては、地域の方々との交流から、様々なフィードバックをいただきモチベーションアップになっています。 また、平成25年度文部科学省の「地(知)の拠点整備事業」に採択された「瀬戸内地域活性化事業」では、自治体と学生グループがフィールドワークを行い、地域の課題解決に取り組んでいます。学生にはプロジェクトの成功だけでなく、失敗からも社会というものを学んでほしいと思っています。 地域貢献に力を入れている本学ですが、香川県出身の学生は25〜30%と少なく、非常に問題視しています。そこで、地元の人材を香川大学に呼び込む魅力づくりとして、新たな学部、学科を設置する予定です。現在検討している学部等の系統は2つで、1つは芸術系です。香川県が「アート県」を推し進めているように、地域に根付く芸術・デザイン分野の人材はこれから増やしたいところです。もう1つは観光系で、来訪者数が増加傾向にある香川県の観光を担える人材の育成が目的です。平成27年の観光庁の外国人旅行者向け「広域観光周遊ルート」に新たに瀬戸内と四国遍路が認定されたこともあり、今後も発展が見込まれる観光分野を支えます。 どちらの学部等を新設するにしても、地域に育てた人材が力を発揮する就職先がないと意味がありません。大学は人材を育て、地域は人材が働く「受け皿」を作るという体制をつくり、連携して地方からの若者の流出を食い止めたいと思っています。地域貢献で活性化と学生の地方定着を目指す-----新学部設置のほか、現在進行している取り組みについて教えてください。 1つは、文部科学省のプロジェクトで、四国地区5国立大学(※)が連携して知のプラットフォームを作る事業がスタートしています。各大学の得意なフィールドを生かし、事業を共同実施することで四国全体を発展させることが目的です。事業内容は、本格的なAO入試の共同実施を目指す「AO入試」、5大学の得意な一般教養科目をe-Learningコンテンツ化し、単位取得授業とする「e-Learning教育」、各大学の知財シーズを集積し社会に還元する「産学連携」の3つです。 希少糖の開発で知られる香川大学では、いま様々な研究シーズに取り組んでいます。そのひとつが工学部の「ナノ触覚神経網」を使った「手触り感」の数値化研究です。これが完成すれば、内視鏡という視覚に、手触りという触感がプラスされることになり、これまで不可能だった体内深くの触診が可能になると期待されています。 医学部では「K‐MIX」という医療情報の共有化計画が進んでいます。妊婦の画像伝送による遠隔医療、患者のカルテの共有などが可能です。東日本大震災で病院が被災し、膨大な医療情報を失って以降、K‐MIXは国からも注目されており、医療情報の共有化は将来的に全国で必然となるでしょう。さらに医学が十分に発展していない途上国に遠隔医療を提供することもできます。すでにタイのチェンマイ大学と協定を結び遠隔医療を実施しています。K‐MIXは今後、国際的なネットワークとして世界に広がっていくでしょう。「四国連携」「ナノテク」「K‐MIX」への大きな期待図書館の「サイレントゾーン」に備えられた学習個室。図書館の一角では、貸出の多かった本、「ベストリーダー」を展示しています。      ※愛媛大学、香川大学、高知大学、徳島大学、鳴門教育大学の5大学。27

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