IKUEI NEWS vol.73
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を受けることが、容易にできるようになった。「図書館の重要さを知らず知らずのうちに理解し、図書館は私の大学生活の大きな助けになった」と、シルビアは大学生活の中の図書館の存在を語る。そして、「卒業したら、どこかの美術館か博物館の仕事をしたい。図書館で覚えたことがそのまま役立つような気がする」と言う。 図書館を頻繁に利用する学生は、そうでない学生より概して成績がよいという事実は、色々な調査にも表れている。シルビアは知らなかったようだが、彼女もその恩恵を受けていた。彼女は来春、優秀な成績で卒業する予定になっている。学生が大学図書館を利用する4つの理由 だが、このシルビアでさえ、アマースト大学を進学先として選んだ時、さまざまな賞を取っていることで高等教育界では有名なアマースト大学図書館の存在については、何の知識もある女子学生の図書館との歩み 米国マサチューセッツ州にあるリベラルアーツ大学、アマースト大学(Amherst College)でアメリカ学を勉強しているシルビア・ハックマンは、高校の時から図書館に興味をもち、大学に入ってからも、時間がある時には図書館を訪れ、静かでアカデミックな雰囲気に浸るのが好きであった。親元を離れ、「一人で独立して生きるって、カッコいい。素晴らしい毎日だろうなあ」という期待とは裏腹に、寂しい、自信のない、不安な気持ちになるような時には、しばしば寄宿舎を抜けて、夜遅くまで開いている図書館に行き、雑誌を拾い読みしたり、宿題をしたり、または図書館の軽食堂で食事をしたりして時間を潰した。「そのうち、図書館に自分の家に感じるような親近感を感じるようになった」という。図書館に来ることが日課になり、図書館員との交流や、彼らから勉強やリサーチのヘルプなかった。「残念ながら、高校生が大学を選ぶ時、図書館の優劣を比べたり、選考の重要な要素の一つにしたりすることはほとんどない」と、2015年、米国大学・研究図書館協会(ACRL)の最優秀図書館賞という、非常に権威ある賞を受賞したアマースト大学図書館長、ブリン・ゲファートは言う。学生と図書館との接点は、大学に入って初めてできるのが普通だ。ただ、接点を持った大学生は、それ以後も、図書館を訪れるリピーターになるケースが多いと、大学図書館関係楓 セビルアマースト大学のシルビア・ハックマン。高校でも大学でも、図書館は常に彼女の生活の一部になっていたという。アマースト大学を卒業したら、「出来れば美術館か、博物館で働きたい。図書館で身につけたことが活かせるから」と言う。アマースト大学のフロスト図書館は、学生たちの日常生活に図書館をとけ込ませたという功労で、2015年のACRL賞を受賞。グループ・ディスカッションなどができるスペースも用意されている。青山学院大学英米文学部卒。電通入社後、クリエーティブ局を経て1968年に円満退社しニューヨークに移住。以来、アメリカの広告界、トレンドなどに関する論評を各種の雑誌、新聞に寄稿。著書として『ザ・セリング・オブ・アメリカ』(日経出版刊)、『普通のアメリカ人』(研究社刊)など。翻訳には『アメリカ広告事情』(ジョン・オトゥール著)、『アメリカの心』(共訳)など多数あり。『日経マーケティング・ジャーナル』、『ブレーン』、『消費と生活』、『AD・STUDIES』、『日経広告研究所報』などに連載中。米国大学図書館の現状と未来アメリカン・キャンパス・ライフ 22

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