IKUEI NEWS vol.73
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米沢嘉博記念図書館が設立された目的 明治大学米沢嘉博記念図書館はマンガとサブカルチャーの専門図書館です。現在、データなどの整理が終わったマンガ雑誌・単行本・同人誌など約9万冊の閲覧利用が可能となっており、一年を通し頻繁に開催されるさまざまな企画展やトークイベントなどに、多くの人々が訪れています。 この米沢嘉博記念図書館は、マンガ・アニメ・ゲームの複合的なアーカイブ施設となる「東京国際マンガミュージアム」(仮称)の先行施設として運営されています。貸本業を営んでいた故・内記稔夫氏が設立し、明治大学が引き継いで運営している「明治大学現代マンガ図書館」の蔵書を含め、さまざまなコレクションを複合する施設として、この計画は構想されています。「東京国際マンガミュージアム」(仮称)の計画が作られた背景を、検討に関わった国際日本学部の森川嘉一郎准教授はこう語ります。 「マンガ・アニメ・ゲームは、国内外の幅広い世代に支持され、すでに歴史的な厚みを築いているにも関わらず、体系的な資料の収集や保存がほとんどなされていません。こうした文化は、日本国民のその時々の生活や価値観をきめ細かく映してきたため、マンガなどのポップカルチャーそれ自体を対象とする教育・研究だけでなく、昭和時代から平成に組みがありました。つまり、なぜ日本でかくもロボットアニメが作られたのかを研究し、また伝えようとすると、アニメそれ自体を作品として保存するだけでなく、おもちゃなどの関連商品の収蔵も必要になってきます。いま米沢嘉博記念図書館でさまざまな企画展を開催している背景には、そうした多様な資料を相乗的に運用するための方法論を蓄積したいという目的意識があります」。 開館が待たれる「東京国際マンガミュージアム」(仮称)の今後について森川准教授はこう語ります。 「多くの方からさまざまなご提案をいただき、当初の構想を上回るスケールの施設が必要となったため、開設はもう少し先になります。収蔵コレクションは着々と揃ってきていますので、ぜひご期待ください」。かけての日本人のライフスタイルの変化を明らかにする歴史資料としても大きな価値を帯びています。総合的なアーカイブ施設となる『東京国際マンガミュージアム』(仮称)の目的の一つがそこにあります」。ポップカルチャーを俯瞰する視点が特長 「東京国際マンガミュージアム」(仮称)の大きな特長が、マンガ・アニメ・ゲームなど、さまざまなメディアにまたがる文化を総合的に扱うということ。「ライトノベルや特撮など、近接する分野全般を扱う」と言う森川准教授は、その収蔵対象を多角的に捉えています。 「マンガ・アニメ・ゲームは相互にメディアミックスをしながら発展してきました。加えて、例えばロボットアニメがジャンルとして成立した過程を見ると、玩具メーカーがスポンサーとなり、作中のロボットを商品化して、その売り上げでスポンサー料が回収されるという仕我が国が誇るマンガ・アニメ・ゲームなどのポップカルチャー。その分野の研究・教育を進める明治大学では、2009年に明治大学出身のマンガ評論家であった故・米沢嘉博氏が所有していた 14万冊以上の図書資料をもとに「米沢嘉博記念図書館」を開設しました。同大学ではそれを先行施設とする、世界最大級のサブカルチャーのアーカイブ施設、「東京国際マンガミュージアム」(仮称)の開設計画を持っています。明治大学 米沢嘉博記念図書館日本のマンガ・アニメ・ゲームを総合的に保存する施設への第一歩として米沢嘉博記念図書館の開架スペースの様子。閉架に並ぶ少年誌のバックナンバー。背表紙の変遷からも、時代の変化がうかがえます。ないかいちろうき国際日本学部の森川嘉一郎准教授。大学図書館に行ってみよう事例取材20

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